中小企業診断士の難易度は?どんな資格?年収は?コンサル業務を徹底解説!

中小企業診断士の難易度は?どんな資格?年収は?コンサル業務を徹底解説!

目次

中小企業診断士試験の難易度は?

他の試験と比較した難易度

中小企業診断士の難易度     ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
【参考】
 測量士補試験         ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 日商簿記検定3級       ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 賃貸不動産経営管理士     ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 DCプランナー2級        ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で2~4ヶ月
 日商簿記検定2級       ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
 FP2級              ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
 宅地建物取引士(宅建)    ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
 管理業務主任者        ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
 マンション管理士       ★★★★★☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で6ヶ月~1年間
 中小企業診断士        ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
 行政書士           ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
 社会保険労務士        ★★★★★★★☆☆☆ 1日3時間程度で6ヶ月~1年間
 土地家屋調査士        ★★★★★★★★☆☆ 1日3時間程度で1~2年間

 税理士・公認会計士      ★★★★★★★★★★ 1日3時間程度で…数年!!
 ※あくまでも一般的な基準です。個人差がありますのでご注意ください。

過去の合格率・合格者数推移

一次・二次それぞれの合格率をみると20%前後と高そうに見えますが、実際は一次試験を通過した方のみが二次試験を受験できるわけですから、実質的には4~5%程度ということになります。

国家資格の中でもかなりの高難易度と言えるでしょう。

試験範囲も会計・経営・IT・人事・法務・マーケティングなど非常に幅広く、平均1年以上の学習時間は必要になります。

なお税理士同様、科目合格制度があるため3年間で全科目合格すればよいため、時間をかけられる方にとっては比較的取得しやすい資格と言えるでしょう。

 

中小企業診断士試験の勉強方法は?独学で合格できる?

司法試験や技術系資格のように専門的な思考が必要になる資格では、独学では困難な試験も多くあります。

一方で中小企業診断士試験の内容は、ある程度経営コンサルティングや会計に関わっている方であれば、独学でも十分理解できます

そのため、しっかりと1年以上独学を継続できる方であれば、講座を受講せずに参考書のみでも問題ないでしょう。

 

しかし、多くの方はなかなか難しいと思います。

ですので、ほとんどの方は講座を受講しています
1年以上試験勉強を要する試験ですので高額なのはやむを得ないでしょう。

その中でも、通信講座でリーズナブルで受講できる講座もあります。

 

 

スタディングの中小企業診断士講座は、他の予備校の3分の1程度の受講料で1次2次どちらの対策も十分なカリキュラムで受講できます。

通信講座は不安、と思う方もいると思いますが、中小企業診断士はほとんどの方が働きながら取得を目指します。

通学講座ですと、仕事の都合で通えなくなったりして、無駄になってしまいがちです。

そのため、私は安価で効率的に学習できる通信講座をおススメしています。

以下の記事で、スタディングをはじめ、中小企業診断士対策講座の10社比較をしています。

 

いろいろな予備校・オンラインスクールの公式HPを比較するのは大変だと思います。受験を検討している方は、コチラの記事を見れば一発であなたにあったオトクな講座が分かります。

ぜひご活用ください。

 

中小企業診断士ってどんな資格?

資格の位置づけ

 「中小企業診断士」は中小企業支援法を根拠とする国家資格(国家登録資格)です。
 税理士や公認会計士・弁護士などと異なり、業務独占資格ではありません。マンション管理士と同じ「名称独占資格」に近い国家資格です。

中小企業診断士にはどうやったらなれるの?

中小企業診断士になるには、2通りの方法があります。

(1)
 ① 1次試験合格(筆記7科目)
 ② 2次試験合格(筆記4科目+口述)
 ③ 実務補修 または 診断実務従事(いずれも15日間以上)
 ④ 中小企業診断士登録

(2)
 ① 1次試験合格(筆記7科目)
 ② 養成課程を修了(概ね6か月間)
 ③ 中小企業診断士登録

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中小企業診断士の役割は?

 中小企業診断士はいわば中小企業の経営コンサルタントです。
 弁護士や税理士は、その分野に特化した業務を「独占業務」としておこないますが、中小企業診断士は経営・会計・税務・法務・人事・労務・ITシステムといった幅広い分野をカバーしています。

 「法人版のファイナンシャルプランナー」という表現がピッタリかもしれません。

 中小企業庁の調査によると2016年我が国の中小企業の数は全体の99.7%、雇用者数は64%と発表されています。

 大部分を占める中小企業ですが、1つ1つの企業を見ていくと、なかなか経営・法律の知識を有した従業員を揃えられないのが現実です。

 中小企業法では、そのような中小企業が経営資源を確保するための業務に従事する者として「中小企業診断士」は位置づけられています。

 

中小企業診断士って役に立つの?その業務とは?

中小企業診断士の業務を簡単にまとめると以下のようなものがあります。

① 診断業務
② 経営指導
③ 調査研究
④ 講演・教育訓練
⑤ 原稿執筆

(参考引用:一般社団法人 中小企業診断協会「データでみる中小企業診断士2016年版」)

これらの業務を具体的にどのようにおこなっていくのか、以下に解説していきます。

 

独立系コンサルとしての業務 ①経営コンサルタント

 中小企業診断士は独立して「中小企業診断士事務所」として展開することが可能です。
また、元企業内コンサルタントがコネクションを使ってフリーランスとして働くこともできます。

 その場合、多いケースとしては比較的短期(1~6カ月)でクライアント企業に常駐し、その経営活動を調査します。その際、インプットとして活用する情報を以下に例示します。

<クライアント企業から収集する情報例(インプット)>
① 財務諸表(BS・PL・CF、最低3年分)
② 事業計画書(短期・中長期)
③ 確定申告書(最低3年分)
④ 借入・貸付金の状況(融資契約書)
⑤ 事務所の賃貸借契約書
⑥ 土地・建物の保有状況
⑦ 従業員名簿・賃金台帳
⑧ クライアント一覧

 

 第三者である法人のコンサルティングにおいて、クライアント企業に関する情報収集は非常に重要です。「すべて」といっても過言ではありません。
 とはいえ、なかなか外部の人間にあらゆる情報を提示してくれるはずもありません。

 例えば、中小企業であるあなたにコンサルを依頼したのがその企業の「経営者」または「経営管理部門」だったとします。

 この「経営管理部門」はバックオフィスであり、事業部門・営業部門ではないため、ここにあなたが知りたい情報はありません
 より現場に近い部門の生の声を聴くことが重要です。さらにいえば、そこにいる社員一人一人の声が重要なのです。

 いまある事業を伸ばしていくのにボトルネックとなっているものは何か、
 無駄なコストが多く、資金繰りの足かせになっているものは何か、
 システム化が進まず非効率になっている業務は何か、
 労働環境が悪く、社員の入れ替えが激しくなっていないか

 経営者が気づけないことに気づき、提案することが中小企業診断士の役割なのですから、経営者のみから情報を集めたのではあまり意味がありません
 事業部門・営業部門の一般社員から情報を集めるコミュニケーション能力も中小企業診断士には必要とされます。

 こうして収集した情報をもとに報告書を作成します(アウトプット)
 一般に報酬は、「委託期間の稼働分人件費」をもとに計算し、「報告書の納品をもって確定」として契約することが多いです。

 この報告書に、経営に関する提案をまとめ、クライアント企業の経営に対し報告することで、一連のコンサル業務完遂となります。

 なお、契約によってはその提案した内容について、軌道に乗るまでフォローをし続けるようなケースもあります。

 

独立系コンサルとしての業務 ②プロジェクトアドバイザー・マネージャー

 経営コンサルタントは、クライアント企業側に明確な課題・経営ビジョンがない場合に活用されます。
 一方で、明確な課題・経営ビジョンがある場合には、「プロジェクトメンバー」として中小企業診断士が活躍できます

<プロジェクト例>
① 既存事業の海外進出
② 新規ITシステムの導入
③ 新規事業・子会社設立のための資金調達
④ 就業規則変更

 

 こちらは比較的中期(3ヶ月~3年程度)で任されることが多いです。

 クライアント企業内のプロジェクトチームの一員となります
 専門家としてアドバイスを求められたり、クライアント企業の規模によってはプロジェクトマネージャーとして先頭に立って推進するケースもあります。

 特に最近は、海外案件・新規システム導入はニーズが高いのではないでしょうか。
 企業側も対応の意識があるものの、社内にそのような人材がいない場合に、これらの分野に長けた中小企業診断士がコンサルタントとして役立ちます。

 注意点としては、「中小企業診断士試験に合格しただけでは不十分」ということです。

 海外案件に受託するには当然英語でのコミュニケーションが求められます。
 ITシステム導入にはITリテラシー・最新動向が求められます。試験科目でも「経営情報システム」がありますが、こちらは法や概念面なので、最新動向のキャッチアップには不十分です。

 

企業内コンサルとしての業務

 実は中小企業診断士の多くは企業に雇用者として属し、その中で企業から命じられた職務として「企業内コンサル」を受け持つことが多いです。

<企業内コンサルのメリット>
① 企業の状況・社員の声を直接知ることができる
② 長期的に企業の情報を知ることができる
③ 給与が安定する
<企業内コンサルのデメリット>
① 人事配置によってはコンサル業務ができない
② 上下関係などに忖度が必要になる場合がある
③ 自身の企業の分野しか分からないため、知見が狭くなる

 

 実は、中小企業診断士の半数近くが企業内コンサルとして活躍しているそうです。

 やはり第3者企業のコンサルティングは短~中期のため難易度が高く、また企業活動を深く知れないというデメリットがあります。
 そのため、特に若いうちは一企業に属し、経験を積みたいという方が多いためと思われます。

 業務内容は独立系コンサルと大きく違いはありませんが、立場が違うため、また気の遣い方が変わってきます。
 内輪であるため、それほどコミュニケーションに心配は必要ないかもしれませんが、それ故の心労もあるかと思います。

 

中小企業診断士の年収は?稼げるの?

年間売上 割合
~300万円 8.9%
~500万円 18.3%
~800万円 19.9%
~1,000万円 14.9%
~2,000万円 27.9%
~3,000万円 5.8%
3,000万円~ 4.3%

 一般社団法人 中小企業診断協会「データでみる中小企業診断士2016年版」によると、上表のような構成になっています。(対象はコンサルタント業務が年間100日以上の中小企業診断士)

 難関国家資格であるだけに、高額所得者も多いです。しかし反面、弁護士や税理士・公認会計士と異なり独占業務がないため、案件がなければ売上げは少なくなります。コンサルタントとしての実力が如実に表れてきます。

 したがって、「中小企業診断士」は肩書としては非常に優秀ですが、それだけでは稼げず、コンサルティング能力が必要だということになります。

 逆に言えば、能力があれば社会ニーズも高まっており、稼げる資格であることは間違いありません。

 

中小企業診断士を検討する方におススメの資格

中小企業診断士受験前の腕試しに!

 

企業経営に会計知識は必須!3級でいいので簿記は取りましょう

 

経営コンサルに法務知識は必須!より質の高いコンサルタントを目指すなら!

 

中小企業は経営も人事も直結!

 

昨今の経営コンサルはITとは切り離せません

おわりに

 いかがでしたでしょうか?

 中小企業診断士は、難関な国家資格でありながら独占業務がないため、「コスパが悪い資格」などと揶揄されることもあります。
 しかし、能力次第では肩書にハクがつくことで、年収アップにつながることもあります。

 また、すでに企業で経営管理部門に従事している方が、自身のスキルアップとして取得される方も多いようです。

 いずれにしても「経営に関する知識」を幅広く習得できますので、「独立・フリーランスを目指す方」にとっても、「自己研鑽を図りたい方」にとっても決して無駄にはならない資格だと考えています。

 ぜひ一度受検を検討してみてはいかがでしょう。

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