相続支援コンサルタントはどんな資格?難易度は?独立に必要なことは?

 

不動産所有者・賃貸不動産オーナーの高齢化に伴い注目されてきている

「相続支援コンサルタント」

通常の資格とは異なる取得方法ではありますので、しっかりと確認が必要です。

難易度が高いわけではありませんが、取得には費用と時間がかかります

 

相続支援コンサルタント資格を持つ意味を考えて、自分にとって必要かしっかりと見極めていきましょう。

 

目次

相続支援コンサルタントになるためには

資格取得までの流れ

相続支援コンサルタントになるには、「試験合格すればいい」訳ではありません。

前年からはじまる全8回月1回(約8か月)に及ぶ講習を受講し、その後試験に合格する必要があります。

(1)講習受講(9月~翌4月)

 ① 第1講 概要、相続人
 ② 第2講 遺産分割、遺言、後見制度
 ③ 第3講 相続税、相続財産評価
 ④ 第4講 賃貸不動産をとりまく税金
 ⑤ 第5講 贈与、生命保険
 ⑥ 第6講 税制改正のポイントと実務、登記
 ⑦ 第7講 測量、民事信託
 ⑧ 第8講 相続支援コンサルティング
 ⑨ 演習講座(任意参加)
 ※①~⑧の講習のうち4回以上出席しなければ試験受験不可

 

 

(2)認定試験(5~6月)

(3)登録手続き

 

 

受験料・登録料

<一般・上級共通>

受験料:200,000円(テキスト代、講習代、受験代込み)

登録料:10,000円

更新料:10,000円(3年ごと)

 

試験の難易度は?

住宅新報webにて、2019年度の試験結果が発表されていました。

一般合格率は74.8%、上級合格率は93.5%ですので、

講座をしっかりと受講し、教わった内容をある程度復習している方は問題なく合格できそうですね。

やはり、「8カ月受講をやり遂げられるか」が試験取得のカギになるようです。

 

 

 

相続支援コンサルタントってどんな資格?役に立つの?

資格の位置づけ

相続支援コンサルタントは、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が主催・運営する民間資格です。

相続に関する国家資格・業務独占資格は「税理士」のみです。
そのため、具体的な相続税や生前贈与(贈与)の相談・申告は、税理士にのみしか行えません。

相続支援コンサルタントは、普遍的・一般的な法律や仕組みをもとに相談業務をおこなうことが役割です。

相続に関する民間資格は他にも多数ありますが、

相続支援コンサルタントは、
相談者の対象を賃貸不動産オーナーを特化した相続アドバイザー

 

ということになります。

なお、民間資格ですので独占業務はなく、「不動産にまつわる相続知識をアピールするためのもの」と思っていいでしょう。

 

 

相続支援コンサルタントって役に立つの?賃貸管理で活躍!

「相続」

と一口で言っても、その問題は様々です。
遺言、現預金、株式、信託財産、事業後継者、税金、そして不動産・・・

そのため、相続に関する資格は、あらゆる団体が設立し乱立しているのが現状です。

その中で、「不動産(とその周辺領域)」に特化したのが、

「相続支援コンサルタント」です。

 

高齢化社会の昨今、賃貸オーナーの相続問題が激増しています。

① 不動産は現預金と違い、分割して相続しづらい
② 現預金と違い不動産にかかる相続税が予測できない
③ 相続税は「現金」のため、不動産を相続しても払えない
④ 不動産のローンが残っており、返済のめどが立たない

 

不動産は現預金と違い、その価値が流動的である一方で現金化しづらい性質があるため、相続の中でも難易度が高い分野になっています。

そのため、素人である高齢者オーナーや親族が対策できずに、相続が発生するまで何もできずに結局手遅れになります。

 

しかし、賃貸不動産であれば通常、「賃貸管理会社」がついています。
この管理会社が、退去時の募集や入居手続き、賃料収納などを代行してくれています、

つまり、

賃貸管理会社は、オーナーよりもその物件のことを知っている唯一の存在

 

になるわけです。

 

そこで、「賃貸管理会社」の担当者が「相続のスペシャリスト」であれば、

賃貸管理会社は、「賃貸管理」と「相続コンサルタント」ダブルの売上機会が得られる
オーナーにとっては、「賃貸管理」と「相続コンサルタント」ダブルでサービスを享受できる

 

となります。これがこの資格の狙いです。

相続支援コンサルタントは、賃貸管理にさらなる幅を持たせたい方にとって、これからの時代のニーズに合わせた付加価値になる資格と言えます。

 

 

特に重要なのが「不動産に関する税金」 ~有効活用の提案をしよう!~

不動産相続に関するトラブル・悩みで多いのが、

相続税・贈与税問題です。

 

住宅用不動産の場合には、「相続人が生きるうえで必要な資産」であるため、様々な軽減税率や優遇税制が用意されています

しかし、賃貸不動産は「収益を得るための資産」であるため、住宅用不動産に比べ、税金が高くなりがちです。

複雑で多岐に渡る税制を理解し、顧客に合った相続不動産の活用法を提案することが、最も相続支援コンサルタントに求められる役割の一つです。

 

もちろん、具体的な税務相談は「税理士」の独占業務ですので、相続支援コンサルタントはすることができません。

そのため、一般的な知識をもとに枠組みを提案し、具体的な実務は税理士などの専門家に相談しましょう。

税理士・弁護士など各分野の紹介することも相続支援コンサルタントの役割です。

 

 

 

相続支援コンサルタントは独立できる?

相続支援コンサルタントは独占業務がないため、税理士などの専門資格に比べると、独立は難しいです。

しかし、視点を変えた独立方法を考えることで、独立への道は拓くことができます。

 

それは、

相続に関する講習会・講演会のセミナー講師、運営

 

という道です。

 

まず、セミナーそのものを有料にすることで収益を得る方法もあります。

その他に、セミナーによって集客をし、ニーズのある顧客との接点を持ち、そこから個別にコンサルティングの提案を行う方法があります。

相続支援コンサルタントの上位資格である、「上級相続支援コンサルタント」はこういったセミナー類の講師・運営としての役割も求められています

 

 

相続支援コンサルティングの集客方法は?

相続支援コンサルティングの顧客はどのように獲得すればよいでしょうか。

賃貸管理会社であれば、賃貸管理の顧客から提案することが最も効率が良いでしょう。

しかし、独立しフリーランスとしてコンサルティングを行う場合には、自身の賃貸顧客はまずいないでしょう。(起業するならともかく、個人で賃貸管理業を行うのはまず無理です。)

 

個人でコンサルティング顧客を獲得するには以下の方法が考えられます。

① セミナー等を開催し参加者に提案する
② 賃貸管理会社とのコネクションを利用する
③ 地主への飛び込み営業

 

最近ではインターネットやSNS経由での集客も可能ですので、候補としては考えられます。

ですが、やはりコネクションがないと相続支援コンサルティング資格のみでは苦労します。

 

現実的な道のりとしては、まず賃貸管理会社で経験とコネクションを作り、その後独立を考えると良いでしょう。

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

相続支援コンサルティングは、これからの時代のニーズとなりうる「期待の資格」といえます。

賃貸管理会社に勤務する方のスキルアップとして、

セミナー講師からコンサルティングまで幅広くフリーランスとして、

自身の相続問題に備えた自己研鑽として、

 

知識としては、現代社会に生きる方にとっては取得して損はない資格です。

一方で、取得までに費用と期間を要する資格ですので、見極めは必要です。

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