【勘定科目】過年度計上した見積り・仕訳が誤っていた時の修正科目は?

過年度計上した見積り・仕訳が誤っていた時の修正科目は?


経理って1円でもズラせないから大変だよね

とかよく言われます。

これは大きな大きな間違いです。

経理実務をやっていると、

  • 計上した売掛金の金額が全然間違ってた!
  • 人件費の見積額がズレズレだった!
  • 貸倒引当金の戻入がたっぷり発生した!

なんてこと実はめちゃくちゃあります。

もちろん全く問題がないとまでは言いませんが、

  • 監査上金額に重要性がない
  • 株主をはじめとするステークホルダーに誤解を与えない

範囲であれば、大した問題ではありません。

ただ問題がないにしても間違いは修正しなければなりません

では、今回はどのように修正すればよいか解説していきます。

 

監査上、重要な影響を与える修正

まず大前提として、「監査上、重要な影響を与える誤り」の場合は、過去の決算をやり直すという大問題に発展します。

会社法の計算書類や開示、監査報告書などあらゆるパートに影響してきます。

会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準より引用
過去の誤謬に関する取扱い
21. 過去の財務諸表における誤謬が発見された場合には、次の方法により修正再表示する。
 (1) 表示期間より前の期間に関する修正再表示による累積的影響額は、表示する財務諸表のう
ち、最も古い期間の期首の資産、負債及び純資産の額に反映する
 (2) 表示する過去の各期間の財務諸表には、当該各期間の影響額を反映する
過去の誤謬に関する注記
22. 過去の誤謬の修正再表示を行った場合には、次の事項を注記する
 (1) 過去の誤謬の内容
 (2) 表示期間のうち過去の期間について、影響を受ける財務諸表の主な表示科目に対する影響
額及び 1 株当たり情報に対する影響額
 (3) 表示されている財務諸表のうち、最も古い期間の期首の純資産の額に反映された、表示期
間より前の期間に関する修正再表示の累積的影響額

この場合の修正については、監査法人の指示を仰ぎ、適切に処理してください。

今回の解説の対象外とさせていただきます。

 

監査上、重要性がない修正の場合

軽いケアレスミスや見積もりの誤りによって発生した軽微な修正の場合、原則は発生時の科目で修正します。

以下の会計基準をご覧ください。

会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準より引用
65. (前略)過去の誤謬を前期損益修正項目として当期の特別損益で修正する従来の取扱いは、比較情報として表示される過去の財務諸表を修正再表示する方法に変更されることになるが、重要性の判断に基づき、過去の財務諸表を修正再表示しない場合は、損益計算書上、その性質により、営業損益又は営業外損益として認識する処理が行われることになると考えられる。

難しい表現ですが要約すると、

過年度の修正は「過去の財務諸表を修正再表示」のが原則だが、重要性がない場合には、「(本来あるべき科目である)営業損益または営業外損益」として認識する

 

ということです。

 

 

例① 2018年1月に計上した売上100万円について、99万円であったことに2019年1月に気が付いた。

<2018年1月> ←間違ってた
売掛金 100 /売上 100

<2019年1月> ←間違いに気づいたので修正
売上 1 /売掛金 1

 

例② 2018年3月に2018年7月支給賞与引当金を1000万円計上した。2018年7月に支給した金額は1020万円だった。

<2018年3月> ←過少計上だった
賞与 1,000 /賞与引当金 1,000

<2018年7月> ←支給時に正しく計上
賞与引当金 1,000  /現預金 1,020
賞与 20

 

例③ 2018年3月に一般営業債権に係る貸倒引当金を100万円計上した。2019年3月の一般営業債権に係る貸倒引当金必要額は80万円で、20万円の戻入益を計上した。

<2018年3月> ←過大計上だった
貸倒引当金繰入額 100 /貸倒引当金 100

<2018年7月> ←翌期に洗替え計上
貸倒引当金 20  /貸倒引当金繰入額 20
 または
貸倒引当金 20  /貸倒引当金戻入益(営業外) 20

なお、貸倒引当金については「金融商品会計に関する実務指針」でもこの処理が明文化されています。

 

金融商品会計に関する実務指針より引用
繰入額と取崩額の相殺表示

125.当事業年度末における貸倒引当金のうち直接償却により債権額と相殺した後の不要となった残額があるときは、これを取り崩さなければならない。ただし、当該取崩額はこれを当期繰入額と相殺し、繰入額の方が多い場合にはその差額を繰入額算定の基礎となった対象債権の割合等合理的な按分基準によって営業費用(対象債権が営業上の取引に基づく債権である場合)又は営業外費用(対象債権が営業外の取引に基づく債権である場合)に計上するものとする。また、取崩額の方が大きい場合には、過年度遡及会計基準第55項に従って、原則として営業費用又は営業外費用から控除するか営業外収益として当該期間に認識する

 

 

以前は「特別損益」での計上だった!?

過年度修正の会計処理については、2011年4月1日に現在の方法に変更されました。

2011年3月31日以前に開始する事業年度においては、過年度の修正については

特別損益で計上する

というルールでした。

そのため、過去の会計システムを見ると、

「過年度修正益」「過年度修正損」という科目が設定されているかもしれませんが、これはその名残です。

「あ、ちょうどいい科目がある!」と使ってはいけませんよ。

 

これが国際財務報告基準(IFRS)に近づけることを目的として、

原則は過去の債務諸表修正、重要性が低ければ本来の科目で計上する

というルールに変更になりました。

 

そのため、10年以上の経験がある経理の方は、うっかり間違えがちなので注意が必要です。

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は過年度修正に関する会計処理について解説しました。

 

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