宅地建物取引士の仕事って?勉強方法と資格を活かせる仕事をご紹介!

宅地建物取引士の仕事って?勉強方法と資格を活かせる仕事をご紹介!

目次

宅地建物取引士の難易度は?

他の試験と比較した難易度

宅地建物取引士(宅建)     ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月

【参考】
 測量士補試験         ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 日商簿記検定3級       ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 賃貸不動産経営管理士     ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 DCプランナー2級        ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で2~4ヶ月
 日商簿記検定2級       ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
 FP2級              ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
 管理業務主任者        ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
 マンション管理士       ★★★★★☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で6ヶ月~1年間
 行政書士           ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
 中小企業診断士        ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
 社会保険労務士        ★★★★★★★☆☆☆ 1日3時間程度で6ヶ月~1年間
 土地家屋調査士        ★★★★★★★★☆☆ 1日3時間程度で1~2年間
 税理士・公認会計士      ★★★★★★★★★★ 1日3時間程度で…数年!!
 ※あくまでも一般的な基準です。個人差がありますのでご注意ください。

 

 

過去の合格率・合格者数推移

 宅建は年20万人を超える方が受験する超人気国家資格です。
 合格率がある程度一定になるように合格点が変動するタイプの試験ですので、設問の難易度に左右されず、「相対評価」の試験と言えます。

 

 

 

宅地建物取引士試験科目

 

 

勉強方法は?独学でも合格できる?

 宅建試験は十分独学でも合格可能な試験です。
 私も2011年に初受験で合格しましたが、完全に独学での受験でした。

 基本的にはどの科目も暗記がメインとなりますので、しっかり時間を取って学習すれば「手に負えない」という試験ではありません。

 特に、通勤・通学電車や昼休みなどの隙間時間などを活用できるかがポイントです。

 

 また、法令の改正点や統計情報などを除けば、過去問に近い出題が多いため、テキストを読むだけでなく数年分の過去問を繰り返し解くことが重要です。

 私が使った参考書は「みんなが欲しかったシリーズ」です。

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 もちろん、講座を受講する方もたくさんいらっしゃいます。
 「確実に合格したいけど、費用は抑えたい…」という方はフォーサイトの講座がおススメです。

 

 

 

宅地建物取引士ってどんな資格?

資格の位置づけ

 宅地建物取引士は、宅地建物取引業法に基づく国家資格です。
 宅地および建物の取引時に行われる「重要事項説明」等宅地建物取引士の独占業務とされています。

 宅地および建物は、一般的に非常に高額である反面、土地や建物にまつわる法律や条例が複雑に関わってきます
 また、建物や設備の不具合・瑕疵であったり、土地の権利関係など、非常に幅広い分野において専門的な知識が必要となります。

 そのような宅地・建物の取引を野放しで市場が行っていると、適正かつ公正な取引が行えないだけでなく、取引後のトラブルが頻発してしまいます。

 そこで、「宅地建物取引士」が宅地および建物の取引に関わることで、取引に関わる方々の利益を保護し、円滑で公正な取引を促進することを期待されています。

<参考>
(宅地建物取引士の業務処理の原則)
第十五条 宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。
引用:宅地建物取引業法

 

 

 

宅地建物取引士の受験資格とは?

 受験資格はありません。
 どなたでも受験できます。

 試験の手続きについては以下の記事をご参照ください。

 

 

 

宅地建物取引士って役に立つの?その業務とは?

不動産仲介会社で売買・賃貸の営業

 宅建士の知識・独占業務資格を最も活かせるのが「不動産仲介営業」です。

<大手不動産仲介会社>
① 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)
② 住友不動産販売
③ 東急リバブル
④ 野村不動産アーバンネット(野村の仲介+)

 

 宅建士としての一番の役割は売買や賃貸などの取引にあたり、「土地や建物に関する重要事項説明」を行うことですが、実務においては「売主・買主(貸主・借主)への営業」がメインです。

 私も不動産売買仲介の営業をやっていましたが、その業務の9割は「営業活動」でした。
 そのときの経験をもとに仕事内容を、売主・買主対応それぞれの立場から解説していますので、ぜひご覧ください。

 

 

 

デベロッパーとして幅広く活躍!

 デベロッパーとは、都市開発・ビル開発・マンション開発・宅地造成などを行う事業者のことです。

<大手デベロッパー>
① 三井不動産
② 住友不動産
③ 東急不動産
④ 三菱地所

 

 デベロッパーが事業を行うにおいて、必ず土地や建物の取引が関わってきます。
 そこには、様々な法律や権利関係が発生します。

 「こんな都市開発をしたいが法令上の制限に引っかからないか」

 「ここにマンションを建設するには何階建てにしないと利益が出ないが、建蔽率・容積率は問題ないか」

 「宅地造成にあたり、関係する権利者は誰か。どのような手続きが必要か」

 など、必要な検討事項は多岐に渡ります。
 宅建士の独占業務である「重要事項説明」等を行う機会は非常に限られてきますが、それよりも宅建試験で習得される「知識」に価値があります

 また、不動産系の最も有名な国家資格ですから、「不動産に関わる者」として宅建士であることは、ネームバリューとしての効果も十分高いと言えます。

 

 

 

信託銀行など金融業界でも有効

 金融業界では、顧客に融資をするにあたり、様々な「資産」を評価します。その中で大きなウェイトを占めるのが「不動産」です。
 そのため、金融業界にとって「不動産評価」は非常に重要になってきます。

 不動産は、融資に必要な抵当権などの「担保」となります。
 身近な例ですと、住宅ローンを組むにあたり、ほとんどのケースで登記上「抵当権」が設定されていると思います。

 投資用マンションローンなどにおいては特に重要で、「その物件がどれくらいの収益を生み出すのか」を正確に判断しなければ、「返済不能」となるリスクが非常に高まります。

 また、信託銀行などでは自行で「不動産事業」を行っている金融機関も多く、不動産仲介会社と同様に「重要事項説明」等を行う機会もあります。

 知識としても実務としても、金融業界と「宅建士」は密接に結びついているのです。

 

 

 

税理士やファイナンシャルプランナーなど相続に関わる仕事でも!

 税理士やファイナンシャルプランナーなどが、税務申告・相続・ライフプランの相談を受ける際にも、宅建の知識は非常に重要です。

 人生において不動産は切っても切り離せません。

 不動産を売却・購入した保有している場合の確定申告、土地や建物の所有者の相続、いつどのような不動産を購入・売却するべきかのライフプランニングなど、とても一個人ではまかないきれない専門知識が必要です。

 そういった相談を受けるのが「税理士やファイナンシャルプランナー」ですが、それぞれの試験では不動産に関する知識はそれほど深く問われません。

 確定申告時の優遇税制、不動産相続・贈与に関する法律、不動産評価など、一般的な税理士やファイナンシャルプランナーではカバーしきれない領域を網羅することで、差別化を図ることができるでしょう。

 

 

 

宅地建物取引士で独立できる?

 宅地建物取引士を取得して、不動産関連の経験を積んで不動産会社を起業し独立する人は非常に多いです。
 一方で、不動産業界は古い体質がいまだに残っているため、「横のつながり」が非常に重要になってきます。

 単に知識があるだけでなく、独立前に他の不動産関係者とコネクションを形成できているかが、スタートアップとしての第1段階になってきます。

 

不動産仲介業者として独立・起業

 最も出資金を掛けずに独立・起業ができるのが不動産仲介業者としての独立です。

 不動産の仲介は「仲介業者登録」が必要となり、保証金を預託しなければなりませんので法人化しなければなりません。

 登録さえできれば、あとは買い手・借り手を探し、良い物件を紹介するだけです。

 1件当たりの手数料は最大で売買価格の3%+6万円ですので、3,000万円の物件で96万円になります。
 月1件ペースを維持できれば生活は出来ます。

 しかしその月1件ペースを維持するのはなかなか大変です。
 大手不動産会社と違い「売り物件」がないため、黙っていては買主はやってきません。

 過去のお客さんや他の不動産業者からの紹介を受けるなど、コネクションをフル活用する必要があります。
 お客さんがついてもなかなか成約まで至らないのが「不動産取引」です。

 はじめのうちは売買・賃貸いずれも手を伸ばして実績を積んでいく会社も多くなっています。

 

 

買取再販業者として独立・起業

 「買取再販業者」聞き馴染みの薄い業種かもしれません。
 実は不動産業界ではメジャーな業態です。

 主に旧耐震基準の古い物件や、長年リフォーム・大規模改修がされておらず買い手がつかない物件を安値で買取り、フルリフォームをして綺麗な状態にしたうえで高値で売却する事業を言います。

 最も重要なのが「物件の仕入れ」です。

 リフォームをすれば買い手のつく安価な物件の情報をより多く集める必要があります。
 自身で電話営業・飛込み営業をすることも大切ですが、何より冒頭に書いたように「他の不動産業者とのコネクション」が非常に重要です。

 また、一度は自社で購入する訳ですし、リフォーム費用を負担しなければなりません。
 そのため、相当な資力か融資を受けるだけの信用力が必要になってきます

 

 

建売業者として独立・起業

 「建売業者」とは、住宅地の奥まった場所にある土地や、建蔽率・容積率が低く十分に建物面積が確保できないような土地を安価で買取、自社で建物を建てて販売する業態を言います。

 買取再販業者と同様、土地の仕入れが最大のキーポイントになってきます。

 コネクションを活用するのは同様、日ごろから対象エリアの空き地・空き家情報を調査し、直接売却交渉をすることも非常に大切です。

 

 

 

宅地建物取引士試験の受験を検討する方におススメの資格

ファイナンシャルプランナーとのダブルライセンスで説得力のある営業を!

 

賃貸不動産経営管理士で売買・賃貸のスペシャリストに!

 

宅建業法改正によりホームインスペクターが注目!

 

不動産営業よりデザイン・クリエイティブが好きならインテリアコーディネーター

 

とにかく不動産を極めたい方に不動産コンサルティングマスター!

 

マンション管理に興味があるなら管理業務主任者

 

マンション管理士として幅広い世代に住みやすいマンション管理をコンサルティング!

 

不動産評価のスペシャリスト不動産鑑定士!

 

 

 

おわりに

 いかがでしたでしょうか?

 宅建士は高額な取引に関わる仕事であるため、大きな責任がつきまといますが、その分やりがいも多く、うまくいけば高収入も期待できます。

 少し前までは「不動産はブラック」というイメージがありましたが、最近では働き方改革の影響もあり、労働環境も改善されつつあります。

 営業の中でも「不動産」という共通のものを売る仕事ですので、転職もしやすいです。

 難易度は決して低いわけではありませんが、1年以内で十分取得できる資格ですので、ぜひ受験を検討してみてください。

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