運行管理者の難易度は?運転手を支える役割とは?独立・開業できる?

運行管理者の難易度は?どんな資格?役に立つの?独立できる?

目次

運行管理者の難易度は?

過去の合格率・合格者数推移

 試験は「貨物」と「旅客」の2分野に分かれており、合わせて8万人以上が受験している大人気国家資格です。
 「貨物」と「旅客」の詳細な違いは後述しますが、物流である「貨物」の方が約4倍受験者数が多くなっています。

 合格率はわずかに「旅客」の方が高めですが、それぞれの根拠法である「貨物自動車運送事業法」「道路運送法」に関する問題以外は共通分野です。
 そのため、両者にそれほど難易度の違いはありません

 

運行管理者試験科目

以下すべての条件を満たすことが合格基準となっています。

① 全体で60%以上の正答率(30問中18問以上)であること
② 1~4のうちそれぞれ1問以上正答すること
③ 5のうち2問以上正答すること

 

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運行管理者の受験資格とは?

 ① 実務経験1年以上
 ② 基礎講習修了者(貨物・旅客別)

 ①②いずれかが必要です。

運行管理者ってどんな資格?

資格の位置づけ・役割

 運行管理者は、国土交通大臣が認定する国家資格です。

 事業として自動車を運行する事業者が運行管理者を設置しなければならず、事業用自動車の運行の安全を確保する役割が求められています。

 事業用自動車とは以下のとおりです。

<旅客>
① 一般乗合旅客自動車:路線バスなど
② 一般乗用旅客自動車:タクシー、ハイヤーなど
③ 一般貸切旅客自動車:観光バス、ツアーバスなど
④ 特定旅客自動車:学校や企業の通学バス、通勤バス
<貨物>
貨物自動車:貨物トラック、タンクローリーなど

 

 勘違いされがちですが、「運行管理者」はこれらの運転手ではありません
 自動車運送事業において、運行の安全を確保するために、以下の業務を行う立場にあります。

<運行管理者の役割>
① 乗務計画の作成・記録、事故の記録
② 乗務員の健康の確保、過労運転の防止、
③ 点呼による疲労・健康確認
④ 乗務員への指示

 

 

運行管理の重要さ、スキー事故を契機に

 昨今、Amazonや楽天などのECサービスの普及や、インバウンドによる格安遠距離バスの増加などが要因となり、運転手の過労による病気や事故が社会問題となっています。

 中でも、2016年1月に発生した軽井沢スキーバス転落事故が大きく影響を与えました。
 格安スキーバスツアーを利用した大学生15人が犠牲になった事故で、運行管理者の役割の重要さが明るみになりました。

 この事故では、「運転手の疲労・健康確認が疎かであったこと」「運行指示書が適切に作成されていなかったこと」が明らかになっています。

 そのため、物流時代において運行管理者は、人の命や大切な荷物を守る役割としてとても重要視されている資格の一つなのです。

 

 

運行管理者って役に立つの?その業務とは?

物流業界の運行管理者として

 運行管理者としての求人では、集荷・配送事業を管理する仕事です。

 イメージしやすいのは、

 「ヤマト運輸」「佐川急便」「日本郵便」など

 

 の配送だと思います。

 ですが、集荷・配送には法人向けサービスも多数存在しており、EC全盛の現代社会において非常に重要な役割を果たしています

 一方でEC業界においては、コスト削減のため「配送料」がますます縮小されています。その煽りを受けているのが物流業界です。

 コスト削減のため、運転手一人当たりの負担が増え、その健康管理が危ぶまれています
 また、運行計画や指示・記録なども行き届かず、「運転手の経験とスキル」に委ねられてしまうことが多くなりつつあります。

 そういった状況を打開すべく、運行管理者が広く必要とされており、需要が高くなっています

 

トラック・バスの運転手のスキルアップに

 運行事業を現場で担う運転手ですが、大型免許など必要な資格があれば「運行管理者」資格は必要ありません。

 しかし、求人には「歓迎要件」として「運行管理者」が推奨されていることが多くあります。

 これには2つの理由があります。

① 人手不足により運転手と運行管理者を兼務させたい
② 自身の安全運行のために必要な知識を習得させたい

 

 特に重要なのが②です。
 運転手は、貨物や旅客を予定通りに目的地に運搬することも大切な役割ですが、何より安全に配慮した運行を行うことが最重要命題です。

 もちろん各種免許の試験でもその辺りの重要性は問われますが、体系的に学習できるのが「運行管理者」です。

 過重労働になっていたり、予想外の運行状況が訪れた際に、適切な判断をできてこそ「優秀な運転手」と言えます。

 

運行管理者で独立・開業できる?

物流・運輸業のコンサルタントとして

 運行管理者として独立するというより、運行管理者での実務経験を活かして独立する方法があります。 
 それが、物流・運輸業向けのコンサルタントです。

 いわゆる法人向けコンサルティングの一つで、特に物流・運輸業向けには「効率性」と「安全性」のコンサルティングがメインになります。

 物流・運輸業の業界改善ですね。

 昨今、働き方改革の影響もあり運転手の過重労働については厳しく規制がされています。
 一方で前述したようにEC事業における受注の増加と輸送コスト削減により、薄利多売が強いられている状況で、業界改革が必要になっています。

 そういった業界を根本から改革するコンサルティングができれば、コンサルタントとして稼げる事業を開業できるでしょう。

 

 

 

運行管理者の受験を検討する方におススメの資格

旅行業に興味があるなら「旅行業務取扱管理者」


 

運行以外で旅行者を支援したいなら「全国通訳案内士」

 

 

 

おわりに

 いかがでしたでしょうか?
 運行管理者はEC事業最盛の現代社会において、物流・運輸業を支える重要な役割を果たします。

 何か事故が起きると、運転手や会社に責任があるように報じられますが、その裏側には「運行管理者の求められる役割」があります。

 自動車事業は人の命にかかわる仕事ですので、やりがいのある仕事を実現できる資格と言えます。

 

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