キャリアコンサルタントの難易度は?どんな資格?役に立つの?独立できる?
目次
キャリアコンサルタント試験の難易度は?
<キャリアコンサルタント試験の難易度>
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
1日1時間程度の勉強で1~3ヶ月
過去の合格率・合格者数推移
2016年に国家資格化したばかりですが、年間受験者数は1万人を超えています。
合格率は多くの回で60%を超えており、難易度はそれほど高くありません。
キャリアコンサルタント試験科目
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キャリアコンサルタントってどんな資格?
資格の位置づけ
キャリアコンサルタントは、職業能力開発促進法に基づく国家資格です。
元々は民間資格として運営されていましたが、2016年の法改正により国家資格化しました。
昨今の労働力不足やニート問題、女性の社会進出や産休・育休後の社会復帰、終身雇用の崩壊など、様々な社会問題や変化により、就職活動・転職活動市場は活性化してきました。
その中で、職業選択やスキルアップなどの助言・相談を行う専門家として「キャリアコンサルタント」がその役割を期待され、国家資格となりました。
キャリアコンサルティング自体は、「キャリアコンサルタント」の資格がなくても行えますが、「キャリアコンサルタント」の名称を名乗ることができるのは、キャリアコンサルタント技能試験に合格し、登録を受けた者のみです。
すなわち、キャリアコンサルタントは「名称独占資格」となります。
キャリアコンサルタントの受験資格とは?
3年以上の実務経験または厚生労働省が認定する講習・養成講座の受講が必要です。
詳細はこちらをご参照ください。
キャリアコンサルタント試験の勉強方法は?独学でも大丈夫?
キャリアコンサルタント試験は独学でも十分合格可能です。
合格率が60%ですので、しっかり勉強する時間を確保できている方はおおむね合格できているでしょう。
計算問題などがなく、基本的にはテキストの内容を暗記するパターンがほとんどですので、通勤電車や昼休みの空き時間等をうまく活用して、コツコツと知識を蓄えていきましょう。
ただし、試験には面接等もありますので、こちらの対策に自信がない方は「面接対策」も充実しているLECの講座をおススメしています。
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キャリアコンサルタントって役に立つの?その業務とは?
キャリアコンサルタントが活躍できる場は多岐に渡ります。
営利法人・非営利法人・大学や公共機関まで、幅広く需要があります。
あなた自身が求める「キャリアコンサルタント像」をしっかりイメージして、選択すると良いでしょう。
人材派遣・紹介会社でのエージェントとして
主に転職市場で活躍します。
転職を希望する社会人から、経験・希望・能力をヒアリングし、その人に合った企業や仕事を紹介します。その結果、企業側が求める人材と合致し、入社することになれば、企業側から紹介料を受領します。
リクルートやエンジャパン、最近だとdodaやビズリーチなどが有名ですね。
リーマンショックから回復した2014年以降くらいから、企業側が中途人材を欲しがる「売り手市場」が続いています。あわせて、終身雇用の崩壊により「転職」が一般的になったことで、エージェントにとっても追い風の状況が続いています。
転職エージェントの業務は以下の流れです。
<転職エージェント業務流れの一例>
① 転職サイト、紹介などによる集客
② 面談(職務経歴、スキル、希望職種・条件、転職動機等)
③ 条件に合致する募集案件を紹介
④ 履歴書・職務経歴書の添削、アドバイス
⑤ 応募・企業側とのコンタクト
⑥ 選考の日程調整
⑦ 選考後のフィードバック(企業側の意見を聴けることも)
⑧ 採用後のフォロー
特に重要になってくるのが②面談と③募集案件の紹介です。
なるべく多くの転職希望者に関する情報・パーソナリティを引き出すのはもちろんですが、無数にある企業・業種の中から、各々に合った企業を探すのには相当な経験が必要です。
単に企業の募集要項を見るだけでなく、日ごろから企業訪問をして採用担当者と対面したり、一般社員から企業の雰囲気を調査したり、仕事内容や待遇面以外の「カルチャー」を知らなければなりません。
ただただ希望者を採用に導くだけでなく、企業にマッチして長い間働く人材を紹介することもキャリアコンサルタントとしての役割なのです。
大学の進路相談センター
大学に併設されている大学の進路相談センターです。主に大学職員や大学から委託された人材派遣会社になります。
対象は「大学生」ですので、ほとんどが社会人経験がありません。
そのため、まだまだ狭い視野で自身の進路を考えている方が多くなります。また働くこと自体に決断ができていない大学生も少なからずいます。
そういった方々に対し、単に「仕事を紹介する」だけでなく、カウンセリングやメンタルヘルスも含めてコンサルティングを行うことも「キャリアコンサルタント」の重要な役割なのです。
ハローワークなどの公共施設
大学の進路相談センターより、さらに「カウンセリング・メンタルヘルス」が重要になるのがハローワークです。
ハローワークには、就業経験が少ない30歳以上の方や、障がい者、失業者などが来訪することが多く、一般の人材紹介会社に訪れる方とは就業に関する悩みが異なります。
そのため、単に仕事を紹介するだけでなく、相談者がいま置かれている状況をしっかりと把握したうえでカウンセリング・メンタルヘルス面にも留意しなければなりません。
労働者不足やニート・引きこもりなどの社会問題解消にも携わることのできる公共性の高い仕事と言えるでしょう。
企業内の人事部門等で社員のキャリア開発
キャリアコンサルタントは、人材紹介会社などの専門企業だけでなく、一般企業の人事部門等でも活躍することができます。
最近ではあまりに会社都合の人事異動は離職につながる可能性が高まっています。
そのため、社内キャリアコンサルタントが社員ひとりひとりのキャリアプランを十分に考慮し、社員のキャリアにとっても相応しい人事配置が求められます。
結果として「会社の発展」と「社員の成長」の両者を得ることにつながるのです。
人事異動などの選択肢が多い中~大企業に限定されてきますが、離職を避けたい企業としては、キャリアコンサルタントの需要はますます高まっています。
キャリアコンサルタントで独立できる?
人材紹介業(エージェント)として独立・起業
人材紹介業は業者登録等が不要ですので、比較的簡単に独立・起業できます。
様々な企業とのコネクションがあれば、大手転職企業と提携し、集客することができます。
私が転職した時も、エンジャパン経由で独立系エージェント会社複数社から「スカウト」があり、最終的にはその中の1社から紹介された企業に転職しました。
一度「スカウト」で転職希望者とつながってしまえば、コネのある企業だけでなく、公募されている企業への転職サポートをすることもできます。
また、コンサルタント全般に言えることですが、初期投資が少ないことも大きなメリットです。
パソコン一台あれば仕事はできますし、転職希望者との面談にカフェなどを利用すれば事務所も不要です。
独立・起業において投資が少ないのはとても重要です。
一方で、1案件がすぐに決まるものではないので、「1ヶ月無報酬」という月も少なくありません。
生活がかかっていますので、精神的にはかなり負荷がかかるでしょう。
キャリアコンサルタント試験の受験を検討する方におススメの資格
社内人事としてより価値を高める「メンタルヘルスマネジメント」
人事系の仕事に興味があるなら「社会保険労務士」
個人向けコンサルタントを極めたいなら「ファイナンシャルプランナー」
おわりに
いかがでしたでしょうか?
キャリアコンサルタントは昨今の転職市場において非常に需要が高まっています。
また、国家資格化されたことからも、国が求める役割としても大きく認められているといえます。
保険や不動産などを取り扱うライフプランナー的コンサルタントに比べ、世の中への浸透はまだまだ浅く伸びしろもあります。
幅広い職を知る必要があるため勤勉さも必要で、コンサルタントとしての社交性・コミュニケーションスキルも高水準なものが求められますが、自身のある方は独立・企業まで視野に入れることが可能です。
ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。