事業活動において「登記簿謄本」を取得する場合があります。
取得目的が事業に関係するのであれば、当然経費として計上できます。
金額があまり大きくないうえに、頻度も多くないと思いますので、勘定科目などの会計処理で困ってしまうことがあるのではないでしょうか。
今回は、登記簿謄本取得費用に会計処理について解説していきます。
目次
登記簿謄本ってどんなもの?
登記簿謄本には大きく2種類あります。
- 会社(法人)登記簿謄本
- 不動産登記簿謄本
不動産業等を除き、多くの会社で必要になるのは、「会社(法人)登記簿謄本」です。
会社(法人)登記簿謄本は、対象の法人の存在を確認したり、設立年月日・取締役・資本状況などを確認するために取得します。
一方で不動産登記簿謄本は、不動産(土地・建物)の所有者や持分・抵当権などの権利関係を確認するために取得します。
不動産業者などが売買を検討している不動産の状況を確認したり、売買契約を締結する際の必要書類として取得することが多いです。
登記簿謄本ってどうやって取得できるの?
登記簿謄本は、法務局で取得できます。
また、登録することによってオンラインで取得することも可能です。
法務局オンライン申請のご案内:http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00003.html
登記簿謄本取得費用の勘定科目は?
登記簿謄本取得費用は、行政サービスの事務手数料として支払うものですから、「支払手数料」の科目で計上することが一般的です。
ただしあなたの会社が不動産業などで、取得目的が不動産取引に関わるものであれば「調査費」などの科目にすることも考えられます。
以前私が経理として勤めていた不動産会社では「物件調査費」という科目を設定し、ここに計上していました。
この場合、販管費ではなく、間接原価でした。
もちろん決まりがあるわけではないので、あなたの会社でルール作りをして、継続的に運用していきましょう。
登記簿謄本取得費用の消費税は?
登記簿謄本は行政サービスとして提供される役務の対価ですので、「非課税」となります。
国税庁からも明記されていますので、お間違えのないようにしましょう。
2 主な非課税取引
(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料
なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。
引用:国税庁タックスアンサー「No.6201 非課税となる取引」
まとめ:仕訳で確認
<例>
取引先に提出するため、当社の登記簿謄本を取得して600円支払った。
借方 | 貸方 | ||
支払手数料 | 600 | 現金 | 600 |
<例>
不動産の調査のため、A地の登記簿謄本を取得して600円支払った。
借方 | 貸方 | ||
物件調査費 | 600 | 現金 | 600 |
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は登記簿謄本取得費用の会計処理についてご説明しました。
そこまで多くは発生しませんが、消費税なども含めてしっかりと押さえておきたい会計処理です。
また、不動産業の場合には年間それなりの金額発生すると思いますので、ルール決めしておくことが大切です。
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