ボイラー技士試験を受験する前に!難易度・お役立ち度を徹底解説!
目次
ボイラー技士試験の難易度は?
<ボイラー技士試験の難易度>
1・2級:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
1日1時間程度の勉強で1~3ヶ月
過去の合格率・合格者数推移
2級は毎年受験者数が25,000人を超える人気資格です。
合格率は50%超となっており、国家資格としてはかなり高めです。
ボイラー技士に関する求人も、2級があれば応募要件を満たすものがほとんどです。
1級も同様に50%を超えています。
もし余裕がある方は1級にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
ボイラー技士試験科目
<おススメの参考書>
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ボイラー技士ってどんな資格?
資格の位置づけ
ボイラー技士は、労働安全衛生法に基づく国家資格です。
ボイラーとは、ビルや工場、マンション、病院など、大規模な建築物の給湯・温水暖房設備などに利用されたり、蒸気機関車などの動力源として使用されています。
稼働には膨大なエネルギーを発するため危険を伴います。
そのため、ボイラー設備の取扱い・管理についてはボイラー技師の独占業務として定められているのです。
ボイラー技師2級・1級・特級の違い
特級が最上位の資格になりますが、2級を取得すれば全ての規模のボイラー施設を取り扱うことが可能です。
級による違いは「作業主任者」に選任されることができるか、という点です。
特級・・・すべての規模のボイラーの作業主任者になることができる
1級・・・伝熱面積の合計が500平米未満のボイラーの作業主任者となることができる。
2級・・・伝熱面積の合計が25平米未満のボイラーの作業主任者になることができる。
取扱い業務自体に級による違いはありませんので、未経験者にとってはほとんど影響がありません。そのため、初学者・未経験者は2級から受験し、徐々にステップアップしていくのが良いでしょう。
ボイラー技士試験受験資格とは?
受験資格はありません。
どなたでも受験できます。
ボイラー技士試験って役に立つの?その業務とは?
ボイラー技師は、ボイラー機材が備わっている施設であればどこでも活躍することが可能です。ビルや工場、病院、学校など、働く環境は数多く存在します。
一方で最近では、ボイラー技師を必要とするボイラー設備を使用しない建築物が増えてきています。まだ古い建物が残っている以上は、ボイラー技士の必要性が全くなくなるということはありませんが、需要は縮小していくことが予想されます。
現在の求人を見ると、ボイラー技士を応募必須要件としている企業は多く存在しますが、あくまでも「ビル管理に関する知識・技能を証明するための資格」という位置づけにもなりつつあります。
そのうえで、現在ボイラー技士がどのような職場で活躍しているか、見ていきましょう。
ビル・商業施設・病院などの設備運転管理スタッフ(ビルメンテナンス)
定番でかつ未経験者にもおススメなのが、大型ビルなどの設備運転管理スタッフです。いわゆる「ビルメンテナンス業務」になります。
もちろん経験者が優遇されますが、ビルメンテナンス業務には「ボイラー技士」としての業務以外にも、資格不要な以下のような業務があります。
① 清掃
② 警備・巡回
③ 点検
④ 接客
⑤ 業者対応・工事立会
このように、ボイラー技士としての経験がなくてもできる仕事は多いため、雇う側としても「一般業務に従事してもらいながら専門分野のスキルを身に付けてくれればよい」という考えになるため、未経験でも採用されやすいです。
また、ビルメンテナンスに関する資格には他にも以下のようなものがあります。
① 電気工事士
② 冷凍機械責任者
③ 危険物取扱者乙種4類
これらの有資格者を募集する求人も数多く出ています。
まずはボイラー技士としてビルメンテナンス業務にあたり、その中で他の資格を取得してビルメンテナンス業務における自身の幅を広げていくという選択肢があります。
エネルギー関連の取り扱い資格を広く取得し、ビルメンテナンス業務の中で経験も積み、今後のステップアップにつなげていくのがよいでしょう。
地域冷暖房施設の運転管理
個別にビル一棟一等に熱源設備を設置することはコスト上も無駄ですし、防犯・防災上のリスクも伴います。
そのため、最近では「地域冷暖房施設」という冷暖房・給湯を複数ビル向けに一括で行う施設が増えています。詳細は以下URLを参考にしてください。
参考URL:地域冷暖房施設の普及(東京都都市整備局)
現在出ている求人はビルメンテナンスに比べると多くはありませんが、特に東京などの大都市部に多くあります。
業務内容は、以下のようなものになります。
① 各ビルの設備管理・点検(遠隔)
② 各ビルに巡回しての点検
③ 現地管理者との連携
④ 設備工事・トラブル一時対応
⑤ 各種報告書、管理計画の策定
基本的にはエネルギーに関する専門的な業務がメインになりますので、集中的にボイラー技士としての経験を積んでいきたい方にはおススメです。
ボイラー技士の年収は?
現在のボイラー技士に関する求人では、
未経験者で年収300~400万円、経験者で350~450万円が相場のようです。
初任給としては平均かやや高いくらいですね。
その職場で働きながら、昇進・昇格をして更なる高収入を目指していきましょう。
ボイラー技士で独立できる?
ボイラー技士は資格より実務経験・スキルが重要ですので、資格を取得しただけではあまり効果がありません。そのため、それなりの経験を積んでから独立を考えるべきです。
また独立するとなると、幅広く仕事を請け負う必要がありますので、ボイラー技士だけでなく複数の資格を取得しておくべきでしょう。
① 電気工事士
② 冷凍機械責任者
③ 危険物取扱者乙種4類
これらを取得し、ビルメンテナンス会社などで多様な専門職の経験を積みましょう。
どの業種・職種でもそうですが、独立後の一番の壁は「案件探し」です。
「自分はボイラーに関する仕事しかできません」
という方より、
「自分はボイラー・電気・水道・ガスなんでもできます」
という方のほうが仕事が多く舞い込みます。
その中で、自分の特にアピールできる分野を押し出して、差別化を図るのが良いでしょう。
ボイラー技士試験試験の受験を検討する方におススメの資格
ビルメンテナンス業務の幅を広げるには!
超難関エネルギー管理士で大幅ステップアップ!
設備に詳しいマンション管理士として大幅スキルアップ!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は、ボイラー技士資格について解説しました。
徐々に需要が薄まりつつある資格だけに、この資格だけでなくエネルギー・インフラに関する幅広い分野の知識・資格を習得することが必要です。
ビルやマンションといった大型の建築物はどんどん増加していますので、「管理・メンテナンス業」としてはかなり需要は高まってきています。
ボイラー技士のみにこだわらず、「管理・メンテナンスのプロ」としての道を歩み、その一つとして「ボイラー技士」を検討してみるのが良いのではないでしょうか。