FP試験は2・3級でも試験範囲が比較的広いことが特徴です。
さまざまな資格情報サイトや書籍で、「FP試験の勉強法!」「私の合格した勉強方法を紹介!」と謳った解説がされています。
私も2017年に2級3級を連続取得しました。
しかし、これだけ多岐にわたる分野においては、平均的な勉強法や私の勉強法があなたに合うとは限りません。
そこで今回私から、
「あなたが今どういう仕事をしているのか」
「これまでにどんな資格勉強をしてきたか」
「あなたが勉強に割ける時間はどれくらいか」など
あなたの状況をしっかりと考慮した勉強法を紹介します。
しっかり読んで、あなたに合った勉強方法を見つけて、確実に合格するだけでなく今後の仕事に活かせる学習期間にしてみてください!
目次
ファイナンシャルプランナー2・3級の難易度は?
他の試験と比較した難易度
FP3級 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
FP2級 ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
【参考】
測量士補試験 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
日商簿記検定3級 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
賃貸不動産経営管理士 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
DCプランナー2級 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で2~4ヶ月
日商簿記検定2級 ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
宅地建物取引士(宅建) ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
管理業務主任者 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
マンション管理士 ★★★★★☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で6ヶ月~1年間
中小企業診断士 ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
行政書士 ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
社会保険労務士 ★★★★★★★☆☆☆ 1日3時間程度で6ヶ月~1年間
土地家屋調査士 ★★★★★★★★☆☆ 1日3時間程度で1~2年間
不動産鑑定士 ★★★★★★★★★☆ 1日3時間程度で2~3年間
税理士・公認会計士 ★★★★★★★★★★ 1日3時間程度で…数年!!
FP2・3級を半年でダブル合格する勉強法を公開!
人によって得な科目・苦手な科目があります。
また、勉強方法もじっくり机に向かえる方と、電車などの移動時間を活用したい人など、様々です。
あなたにとって最善な方法を見つけてみてください。
FP試験は「広く浅い」ことが特徴の試験です。
そのため、すでに他の資格を持っていたり、仕事で関連知識を有している場合などは、柔軟に勉強するバランスを調整するのがよいでしょう。
試験科目別対策! A.ライフプランニングと資金計画
この章でポイントになるのは、
①社会保険 ②公的年金 ③企業年金 ④個人年金
です。
DCプランナーを取得している方は、DCプランナーの方が深く問われますので、サラッと復習する程度で問題ないでしょう。
一方、この分野の学習が初めての方は少し時間をかけてもいい分野です。
その理由は二つあります。
(1)似たような制度があって混同しやすい
(2)すべての国民が関係する分野のためFPとして熟知しておくべき 重要!!
一点目はすでに学習を始めている方にとっては実感があるかもしれません。
社会保障・年金制度は非常に複雑なのです。
まず、第1号・2号・3号被保険者がいて…
老齢年金・障害年金・遺族年金があって…
全部で何階建てで企業年金は何階で…
何歳未満の子がいる場合はいくら受給できて…
一度覚えてしまえば整理して理解できるのですが、初めての方にとっては意外と鬼門になります。
じっくりと時間をかけて覚えることが合格への近道です。
二点目は最も重要なポイントです。
FPを取得する動機として、様々なものがあるかと思います。
ファイナンシャルプランナーを志す人、不動産営業マン、保険のセールスマン、金融系の証券会社などなど。
それぞれ主戦場となるフィールドがありますが、個人のお客さんを相手にするうえで、この「ライフプランニングと資金計画」の分野は、万人共通で関わってくるのです。
先ほど、「複雑で覚えづらい」と言いましたが、それはお客さんも同じです。
これだけ年金問題が騒がれていますが、その仕組みを理解し「何が問題なのか」本質を把握している人は多くありません。
そのため、仮にあなたの主戦場でなくても、この分野についてはお客さんに聞かれたら即答できるようにしておきたいので、時間をかけて学習しておきたいのです。
試験科目別対策! B.リスク管理
この章は「保険のセールスマン」のフィールドです。
保険に携わる方にとっては時間をかけずに済むでしょう。
一方で、そうでない方にとってはやや覚えづらい箇所もありますが、試験範囲が他の分野より少なめですので、ポイントを押さえることでなるべく時間をかけずにいきたいところです。
押さえておくべきポイントは「第3の保険」です。
第3の保険とは、「生命保険」「損害保険」以外の保険です。
ここも社会保障・年金制度と同様、似たようで微妙に違う決まりがたくさん出てきます。
入院時の保険、がん保険、傷害保険、介護保険など
特に、実技試験の際に「給付金を計算する問題」などが出題されますので、どういうケースでどの保険が適用されるかなどは、確実に覚えておく必要があります。
試験科目別対策! C.金融資産運用
金融系・証券会社セールスマンのフィールドです。
また、仕事で関わっていない方も、ご自身で資産運用・資産形成として
株式投資や投資信託など
を実践されている方にとっては非常にラクな分野になります。
また、大学などで経済学を学んでいる方もすんなり理解できます。
完全に初めての方は、少し時間をかけてもいいでしょう。ただおススメとしては…
少し奇抜なアドバイスかもしれませんが、
一度自分で証券口座を開設して実際に投資をしてみる
ことが一番の近道です。
そのうえでこの分野をテキストで学習することで、一気に理解度が高まることでしょう。
試験科目別対策! D.タックスプランニング
実業家や個人事業主および中小企業を対象にしたファイナンシャルプランナーの分野です。
ファイナンシャルプランナーではない、各分野の営業マンにとっては馴染みが薄いかもしれません。
「所得税」「住民税」などの税金は一般の会社員にも課される税金ではあるものの、基本的には会社が代わりに手続きしてくれているため、自身にかかる税金を理解していない方がほとんどです。
とはいえ、ファイナンシャルプランナーのクライアントになる方の多くが、
実業家や個人事業主、中小企業の経営者
です。そういった方々は自身で確定申告をしている場合が多いです。
そのため、ファイナンシャルプランナーを志す方は、点数を取る目的だけでなく、しっかりと理解してプランニングできるようにすべきです。
一方、不動産営業マンや保険のセールスマン、証券マンなどでFP試験を受験する方は、クライアントは会社員であることが多いです。
試験合格のための最低限の勉強量で問題ないでしょう。
試験科目別対策! E.不動産
文字通り、不動産営業マンのフィールドです。
特に個人顧客を相手にする「不動産仲介営業マン」が主となります。
こういった方々はすでに「宅建」を取得しているか、勉強済みの方がほとんどだと思います。
宅建の方が難易度が高いため、復習程度で十分でしょう。
また、不動産関連の仕事でなくても、過去に自宅の購入経験がある方にとっては、ぐっと学習理解度の工場・時間の削減になります。
それは、この分野で一番のキーとなるのが、
不動産の取得・保有に係る税金
不動産の譲渡に係る税金
であるためです。
不動産自体は身近であるため、未経験者であってもある程度理解しやすいです。
しかし、「不動産税制」は例外です。
「住宅用不動産」は生活必需品であるため、様々な税制優遇があります。
代表的なものに「住宅ローン控除」がありますね。
自宅を購入したことがある方は、不動産屋さんなどから説明を受けたかと思います。そういった経験も、学習に役立ちます。
そういった経験がない方は、少し時間を割いてこの分野の学習に割り当てましょう。
「金融資産運用」と違って、「経験してみましょう」と気軽に言える買い物ではありませんので…。
試験科目別対策! F.相続・事業承継
主に民法の分野です。
この分野は宅建をはじめ、様々な資格試験でも試験範囲となっているため、すでに学習経験がある方はサラッと済ませましょう。
初学者にとってポイントとなるのは、
相続財産の評価
です。
ここは、実技試験で出題される可能性が高いです。
法定相続人の人数、相続財産が提示されて相続税額を算出する問題です。
基本的なルールが理解できていないと、実技問題に対応できませんので、初学者の方も必ず押さえておきましょう。
勉強方法は?通学講座・通信講座・独学どれがおススメ?
FP2・3級ともに試験の難易度としては、独学で十分取得可能です。
学習時間の取れるペースや、学習方法の好みによって使い分けると良いでしょう。
①じっくり机に向かう時間の取れる方
⇒独学で十分です。市販のテキスト・問題集を繰り返し学習しましょう。
定番テキストは↓です。
|
|
②通勤時間やトレーニング時間を活用したい方
⇒通信講座での学習がオススメです。スマートフォンでヒアリング学習を繰り返しましょう。
実技試験演習時のみ机に向かう時間を確保してください。
なお、通信講座のオススメ5社比較記事を書いていますので、検討している方はぜひ参考にしてみてください。
③自分で勉強することが苦手な方
⇒通学講座を受講し、自分を律することで確実に学習時間を捻出しましょう。
演習や過去問もなるべく自習スペースを活用してください。
FP技能士試験を検討する方におススメの資格
DCプランナーとのダブルライセンスで年金・社会保障を極める!
社会保険労務士として知識だけでなく実務経験も備える!
福祉住環境コーディネーター検定で老後の実態を知る!
相続を極めたいなら相続支援コンサルタント
不動産分野を中心としたプランナーになりたいなら
おわりに
最後に、参考までに私の学習方法・スケジュールを紹介します。
<2017年12月>
3級:通勤時間・トレーニング中に通信講座ヒアリング学習
<2018年01月>
3級:過去問繰り返し ⇒3級受験・合格
<2018年02月>
2級:通勤時間・トレーニング中に通信講座ヒアリング学習
<2018年03月>
2級:通勤時間・トレーニング中に通信講座ヒアリング学習
+仕事の昼休みで実技演習
<2018年04月>
2級:通勤時間・トレーニング中に通信講座ヒアリング学習
+テキストで苦手分野を再確認
<2018年05月>
2級:通勤時間・トレーニング中に通信講座ヒアリング学習
+過去問演習 ⇒2級受験・合格
<当時保有していた関連資格>
宅建、DCプランナー2級、住宅ローンアドバイザー、不動産コンサルティングマスター
<その他>
不動産会社経理、投資用不動産保有、株式・投資信託投資
いかがでしょうか?
私は不動産系に強かったことと、DCプランナーを取得していたため社会保障・年金制度の知識がありました。
そのため、リスクマネジメントや相続・贈与の分野に時間をかけました。
また、
① 残業が多く机にしっかりと向かう時間を確保しづらかった
② 休日はジムでトレーニングをしたり、マラソンが趣味だった
ことから、スタディングの通信講座をスマートフォンで受講していました。
ちなみにこの学習方法は文系資格全般活用しています。
あなたも、あなたのいまの知識や生活リズムに合わせた学習方法を見つけてみてください!