メンタルヘルス・マネジメント検定の難易度は?管理者・人事に役立つ資格!
目次
メンタルヘルス・マネジメント検定の難易度は?
他の試験と比較した難易度
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種 ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
【参考】
測量士補試験 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
日商簿記検定3級 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
賃貸不動産経営管理士 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
DCプランナー2級 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で2~4ヶ月
日商簿記検定2級 ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
FP2級 ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
宅地建物取引士(宅建) ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
管理業務主任者 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
マンション管理士 ★★★★★☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で6ヶ月~1年間
中小企業診断士 ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
行政書士 ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
社会保険労務士 ★★★★★★★☆☆☆ 1日3時間程度で6ヶ月~1年間
土地家屋調査士 ★★★★★★★★☆☆ 1日3時間程度で1~2年間
不動産鑑定士 ★★★★★★★★★☆ 1日3時間程度で2~3年間
税理士・公認会計士 ★★★★★★★★★★ 1日3時間程度で…数年!!
過去の合格率・合格者数推移
メンタルヘルス・マネジメント検定の目的と試験内容
<Ⅲ種 セルフケアコース>
(1)対象:一般社員
(2)目的:組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進
(3)試験内容:選択問題2時間
① メンタルヘルスケアの意義
② ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
③ セルフケアの重要性
④ ストレスへの気づき方
⑤ ストレスへの対処、軽減の方法
<Ⅱ種 ラインケアコース>
(1)対象:管理監督者(管理職)
(2)目的:部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進
(3)試験内容:選択問題2時間
① メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割
② ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
③ 職場環境等の評価および改善の方法
④ 個々の労働者への配慮
⑤ 労働者からの相談への対応 ※話の聴き方、情報提供および助言の方法等
⑥ 社内外資源との連携
⑦ 心の健康問題をもつ復職者への支援の方法
<Ⅰ種 マスターコース>
(1)対象:人事労務管理スタッフ・経営幹部
(2)目的:社内のメンタルヘルス対策の推進
(3)試験内容:選択問題2時間、論述問題1時間
① 企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
② メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
③ ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
④ 人事労務管理スタッフに求められる能力
⑤ メンタルヘルスケアに関する方針と計画
⑥ 産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
⑦ 相談体制の確立
⑧ 教育研修
⑨ 職場環境等の改善
引用・参考URL:メンタルヘルス・マネジメント検定試験(大阪商工会議所)
メンタルヘルス・マネジメント検定ってどんな資格?
資格の位置づけ
「メンタルヘルス・マネジメント検定」は商工会議所法を根拠とする民間資格です。
主催・運営は大阪商工会議所で、日商簿記検定などの日本商工会議所が後援に入っています。
昨今社会問題化している従業員の「過労」「鬱」「パワハラ」などを背景に、2006年より開始されました。
大阪商工会議所によると、Ⅰ~Ⅲ種の各レベルの目標は以下のとおり設定されています。
○Ⅲ種 セルフケアコース
自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる。
○Ⅱ種 ラインケアコース
部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる。
○Ⅰ種 マスターコース
自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる。
引用・参考URL:メンタルヘルス・マネジメント検定試験(大阪商工会議所)
このように、「メンタルヘルス」の維持・管理のため、
労働者側(部下および上司)・経営者側いずれの視点からもケアすることを期待されている
のがこの「メンタルヘルス・マネジメント検定」ということになります。
メンタルヘルス・マネジメント検定のもとになる法律は?
「メンタルヘルス」に関する試験というと、
「どんな内容なんだ?」
「何を根拠に正解になるんだ?」
「精神論ではないか?」
と思われるかもしれません。
確かに、どんな試験でも「法律」によってルールが決められており、基本的にはこの「ルール」が正解として出題されます。
では、メンタルヘルス・マネジメント検定はどうでしょうか?
メンタルヘルス・マネジメント検定には計3種類のランクがありますが、いずれも
厚生労働省策定「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
を参考に構成されています。
そして、この指針は「労働安全衛生法第70条2第1項」に基づくものです。
<労働安全衛生法第70条2第1項>
(健康の保持増進のための指針の公表等)
第七十条の二 厚生労働大臣は、第六十九条第一項の事業者が講ずべき健康の保持増進のための措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
「労働安全衛生法」というとあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、れっきとした法律です。
したがって、メンタルヘルス・マネジメント検定も他の資格試験と同様に、「法律」をもとにしていることに変わりありません。
勉強を始める際には、まず根拠となった指針を読んでおくとよいでしょう。
参考URL:厚生労働省策定「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
メンタルヘルス・マネジメント検定の受験資格とは?
受験資格はありません。どなたでも受験できます。
下級を取得していなくても問題ないため、Ⅰ種・Ⅱ種の飛び級も可能です。
メンタルヘルス・マネジメント検定って役に立つの?その業務とは?
就職・昇格の役に立つケースは?
メンタルヘルス・マネジメント検定は業務独占資格ではないため、「知識」や「意識」をアピールできることが、就職活動や面接時・昇格の効果になります。
<人事・労務などの健康管理部門への就職>
この資格の一番の目的である「社員のケア」の部分を、組織的に仕組みづくりをできるため、最も適していると言えます。
「社会保険労務士」も近い効果があり、より上位資格として位置づけられますが、まだ知名度の低い「メンタルヘルス・マネジメント検定」を取得しているということで、
「人事・労務関連の社会問題をキャッチアップできている」
という評価を受けることもあります。
この部門への就職・転職を志すのであればぜひⅠ種を取得しておきたいところです。
<管理職への昇格>
昨今の社会問題で一番の原因となっているのが、「上司から部下へのパワハラ・プレッシャー」です。
企業も管理職への教育・指導の対応に追われています。
自社の社員に「過労死」「自殺」が起こると、社会的な評価も急落するうえ、他の社員の離職にもつながり、「一発レッドカード」と言われています。
そのため昇格要件として、最近では大手企業を中心に「人事コンプライアンス意識」が重視される傾向にあります。
「メンタルヘルス・マネジメント検定」を取得していることは、名実ともに「人事コンプライアンス意識」の高さをアピールすることに他なりません。
部下の管理実務においても役に立ち、会社からの評価にも役に立つ、一石二鳥と言えます。
一般社員は「セルフケア」として役立てよう!
人事・労務部門、管理職以外では残念ながら対外的な評価はそれほど期待できないでしょう。
しかし、「メンタルヘルス・マネジメント検定」の醍醐味は「セルフケア」としても効果を発揮する点です。
Ⅲ種の到達目標を改めてみてみましょう
○Ⅲ種 セルフケアコース
自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる。
自分の身体の変化をいち早く察知して、自分の身を守ることにつながります。
また、会社に所属してしまうと自分の会社が「何が正しくて、何が悪いのか」判断がつかなくなってくことがあります。
「会社は自分を守ってくれてるし…」
「高い給料もらってるし…」
「会社に嫌われたら他に行き場もないし…」
などとくすぶっていることが何より危険です。
メンタルヘルス・マネジメント検定を勉強することにより、「一般常識」を知ることができて「俯瞰して」自分の会社を評価することができるようになります。
まさに他の資格とは違った角度からの「自己研鑽」としておススメの資格と言えます。
メンタルヘルス・マネジメント検定で独立できる?
残念ながらメンタルヘルス・マネジメント検定に合格していても独立には直結しません。
人事・労務部門で社員の健康管理に携わるなど、実務経験を積み、コンサルタントとして独立することはできるかもしれません。
しかし現状ではメンタルヘルス・マネジメント検定自体に知名度が低いため、独立後の集客・営業に苦労するかもしれません。
独立・開業を目指すなら「社会保険労務士」とのダブルライセンスがおススメ!
メンタルヘルス・マネジメント検定と似た性質の資格に「社会保険労務士」があります。
以前の記事で詳細を紹介していますのでぜひご覧ください。
社会保険労務士のメイン業務は人事関連の書類作成・事務手続き代行ですが、「コンサルティング」もその役割でした。
そのため、メンタルヘルス・マネジメント検定の取得と併せ持つことで、
「より実務に近い」
「働き方改革などの時流に乗った」
社会保険労務士という印象になります。
メンタルヘルス・マネジメント検定を取得し、人事・労務部門での経験を積んだ先のステップとして、「社会保険労務士」とのダブルライセンスを視野に入れてみてはいかがでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
メンタルヘルス・マネジメント検定は、まだまだマイナーですが昨今の社会情勢にマッチした注目の資格です。
現状ではⅡ種までであれば1カ月程度の勉強で十分合格でき、気軽にチャレンジ可能です。
資格の性質上、急に難易度が上がるということはあまり想像できないので、「難易度が低いうちに!」と慌てる必要はありませんが、社会人としてとても重要な知識になるので、ぜひ受験を検討してみてください。
<受験をしてみようと思われたら、テキスト・問題集は以下の公式テキストがおススメです>
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