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コンサル型不動産営業におススメしたい資格6選!
コンサル型不動産営業とは?
主に「仲介業」を中心とした「不動産営業」は売買も賃貸も「AI時代が来たら消える」と言われています。
ただ単に売り出し中の物件を紹介して、
「買いたい人がいれば成立!3%いただきます!」
という法律に守られた忖度業界ですので、国交省からハシゴを外された瞬間終了です。
しかしそんな中、当分需要があるだろうと言われているのが、「コンサル型不動産営業」です。
主に高齢者の相続や、富裕層の資産活用・土地活用をターゲットとした仕事です。
現状ですと、信託銀行の不動産部門や、富裕層向けの不動産屋がそれにあたります。
こういった職種は、通常の不動産営業に加え、
「相続税」「所得税」などの税金知識
「相続」「贈与」などの法律知識
「投資」などの金融知識
「ライフプランニング」などのFP知識
といった幅広い知見を総合的に必要とするため、まだまだAIに進出するには時間がかかると言われています。
また、通常の不動産営業よりも顧客と長い付き合いになるため、やりがいにもつながります。
今回は注目の「コンサル型不動産営業」を目指すのにぜひ取得しておきたい資格をまとめました。
その① 宅地建物取引士
「不動産系資格」といえば「宅建」です。
実際、「宅建」をもっていないと出来ない仕事(=独占業務)のうち、コンサル系不動産営業でつかうのは、「他者の物件の売買を仲介する場合(=仲介業務)」のみです。
そのため、別でコンサル料を受領する場合には、この仲介業務については他の仲介業者に流して「紹介料」をもらうのも選択肢の一つです。
しかし、「宅建」の資格を取得する目的は別にあります。
「宅建」を取得すべき理由
① 宅建業法、その他法令上の制限などは習得すべき(他の資格ではほとんどない)
② 「宅建」をもっているともっていないでは、顧客からの印象が違う
③ 「不動産業者」として独立・登録する際に一定数必要
① 宅建業法、その他法令上の制限などは習得すべき
まず一つ目、「不動産」に関わる以上、宅建業法や法令上の制限は頭に入れておくべきでしょう。
特に「コンサル型営業」となると、参照すべき法律の条文や通達もケースバイケースで変わってきます。
幅広く知識を習得しておくべきでしょう。
②「宅建」をもっているともっていないでは、顧客からの印象が違う
「コンサル」は信用の商売です。
もちろん一番大切なのは「実力」ですが、はじめは「実力」は伝わりにくいものです。
営業のキホンとして、「はじめの印象」のために資格を取得しておくことは重要です。
③「不動産業者」として独立・登録する際に一定数必要
ゆくゆく「不動産業者」として独立・開業を考えている場合、事務所ごとに一定数の「宅建士」が必要です。
宅建士資格を保有している社員を雇うことで対応も可能ですが、はじめはそこまで社員も雇えないでしょう。
そうなると創業者であるあなたが「宅建士」である必要があります。
その② 賃貸不動産経営管理士
「土地活用」「資産運用」「相続対策」など、不動産コンサルに「賃貸経営」はつきものです。
「賃貸不動産経営管理士」は本来、「賃貸管理業」を行う場合に必須とされる資格ですが、「投資用不動産オーナー」にとって知っておくべき知識がたくさん詰まっています。
「賃貸不動産経営管理士」を取得すべき理由
① 管理受託・サブリースなど「不動産賃貸の方法」が学習できる
② 契約・解約・更新・敷金などの貸主が知っておくべき知識を習得できる
③ 「賃貸不動産経営管理士」という名前がカッコいい
① 管理受託・サブリースなど「不動産賃貸の方法」が学習できる
賃貸不動産経営の方法には大きく分けて二つの手段があります。
それが「管理受託方式」と「サブリース方式」です。「サブリース問題」についてはニュースなどで聞いたことがあると思います。
依頼者が失敗しない不動産活用を提案するために、コンサルタントとして習得しておくべき知識です。
② 契約・解約・更新・敷金などの貸主が知っておくべき知識を習得できる
投資用不動産を賃貸に出すとき、基本的には賃貸管理会社にお任せになります。しかし、「任せっきり」は失敗のもとです。
収支計画や実績管理、修繕計画などはオーナー自らが行うべきです。そのためには、賃貸経営のスキームが理解できていないければなりません。
コンサルタントとして、依頼者に説明できるようにしておきましょう。
③ 「賃貸不動産経営管理士」という名前がカッコいい
「そんな理由か?!」と思われるかもしれませんが、大切なことです。
「コンサルタント」の名刺に「賃貸不動産経営管理士」の肩書があったらちょっと印象よさそうですよね?
営業は印象が大事です。
その割に、宅建などに比べたら取得しやすい資格ですので大変おススメです。
その③ 不動産コンサルティングマスター
総合的な不動産コンサルスキル・知識を習得するのに「不動産コンサルティングマスター」は最適です。
知名度はそこまで高くありませんが、不動産流通推進センター公認資格ということもあり、業界信用度は高いです。
試験科目は、
不動産事業・実務
経済
金融
税制
建築
法律
と専門分野が多岐に渡っていることが特長です。
「不動産コンサルティングマスター」を取得すべき理由
① 事業承継、等価交換、不動産証券化など、かなりマニアックで実務的な不動産コンサル知識を習得できる
② 不動産以外の科目についても「広く・深く」学習ができる
③ コンサルの名刺に「不動産コンサルティングマスター」は魅力的
①事業承継、等価交換、不動産証券化など、かなりマニアックで実務的な不動産コンサル知識を習得できる
不動産コンサル営業は、宅建などの知識は前提として、それらを活用した「コンサル・提案」が求められます。
そのため、実務においては宅建の知識や仲介営業経験のみでは不十分です。
不動産コンサルティングマスターの試験では、ケーススタディを通して専門的な実務処理を把握できることが特長です。
②不動産以外の科目についても「広く・深く」学習ができる
不動産以外の分野についてもかなり踏み込んだ内容が出題されます。
私も2015年に取得しましたが、金融・経済の分野は不動産関連資格では学習しない知識だったため、大変苦戦しました。
しかしその結果、幅広い知見を得ることができ、いまのWebビジネス・コンサルビジネスに活きています。
③コンサルの名刺に「不動産コンサルティングマスター」は魅力的
「またかよ!」と思われるかもしれませんが、すみません。
でも「公認不動産コンサルティングマスター」って最高じゃないですか?
逆に不動産営業マンから貰った名刺に書いてあったら「お!」と思いますよね。
大切な資産をお任せするわけですから、「マスター」に相談したいですから。
その④ ファイナンシャルプランナー
いわずとしれた個人向けコンサル「ファイナンシャルプランナー」です。
「ファイナンシャルプランナー」を取得すべき理由
① 不動産コンサル営業に必要なコンサルは不動産だけじゃない!
② ライフプランニング作成能力が身につく
①不動産コンサル営業に必要なコンサルは不動産だけじゃない!
FPは不動産のみならず、「人生」のコンサルティングです。
しかし、「不動産コンサル営業」も不動産だけを把握していれば良いわけではありません。
依頼者のライフプランや収支、保険、年金などを総合的に理解したうえでなければ、適切な不動産活用提案はできません。
「個人向けコンサルタント」の必須資格といっても良いでしょう。
②ライフプランニング作成能力が身につく
保険の営業マンなんかは、顧客に保険の提案をする際に「ライフプランニング表」を作成してくれます。
「何歳でいくら必要で、いくら給料がもらえるか」というシミュレーションをもとに必要な保険を提案するのです。
実際、そんなシミュレーションどおりにはいかないのですが、顧客としても具体的な数値が見えることで実感が湧き、提案に説得力が増すのです。
不動産コンサルも同じです。
実際どうなるかは別として、「営業ツール」としてライフプランニングを作成することが大切です。
FPの実技の中で学習できますので、うまく生かしていきましょう。
その⑤ 相続支援コンサルタント
「相続支援コンサルタント」は、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が運営する資格です。
資格名からは分かりにくいですが、「賃貸不動産の相続」を専門にした資格という位置づけになっています。
8か月の講習受講と、最後の認定試験により取得することができます。
「相続支援コンサルタント」を取得すべき理由
① 不動産コンサル業で最もニーズの高い「不動産相続」の知識を得られる
② 8か月に渡る講習形式のため、じっくりと知識が得られる
①不動産コンサル業で最もニーズの高い「不動産相続」の知識を得られる
コンサル型不動産営業のニーズは「相続対策」が最も多いです。
かなりの高額が左右される問題ですので、依頼者も多く報酬を支払っても大幅な節税メリットにより得をできるためです。
特に「投資用不動産」の相続は、税金も多くかかるうえ、現預金と異なり遺産分割しづらいことも特徴です。
そのため、コンサル業務の中でも難易度が高く、他のコンサルとの差別化を図るチャンスにもなります。
②8か月に渡る講習形式のため、じっくりと知識が得られる
これは人によるかもしれませんが、単に参考書を読むだけの試験勉強より、じっくりと講座を受講する方がコンサル力は身につくと思います。
費用はかかりますが、説得力のあるコンサルティングを行うためには必要経費と割り切ってもいいかもしれません。
その⑥ 相続検定
「相続検定」も相続に関する資格ですが、不動産のみならず「相続全般」の知識が習得できます。
「相続検定」を取得すべき理由
① 不動産に限定しない「相続全般」のコンサルティングができるようになる
①不動産に限定しない「相続全般」のコンサルティングができるようになる
コンサル型不動産営業の最も需要の高い業務は「相続」だとお伝えしました。
相続相談には、不動産に関するものが多いですが、当然その他の分野もたくさんあります。
そのときに、
というより、
という方が顧客からの信頼度は雲泥の差です。
コンサルタントは専門外の知識をいかに持っているかが、生き残りの分かれ道になってきます。
おわりに
いかがでしょうか。
今回は、「コンサル型不動産営業が取得すべき資格」をご紹介しました。
不動産仲介業が斜陽産業と言われる中、いかに差別化を図るかが重要です。
IT化についていくことはもちろん大事ですが、「人」の力(≒営業力・知識)を身に付けることは変わらず大切です。
資格の勉強を通じて、関連分野への視野も広がりますし、新たな発見にもつながります。
なるべく広くの領域へ手を伸ばし、「信頼あるコンサルタント」を目指してみてください。