2019年6月簿記3級試験で「資本金」「差入保証金」が出題!範囲改定
以前当ブログにて2019年6月以降実施の簿記3級検定での新試験範囲について解説しました。
2019年6月9日に実施された試験にて、当ブログにて解説した「資本金」「差入保証金」に関する問題が出題されたようです。
どのような形式で出題されたのかが、今後の試験対策にも関わる重要なポイントになりますので、ここでしっかりと確認しておきましょう。
目次
解説した記事で復習「資本金」「差入保証金」の仕訳
2019年6月試験の出題された「資本金」の問題を解説
問.株式会社明央商事は増資を行うことになり、1株当たり100,000円で株式を15株発行し、出資者より当社の普通預金口座に振り込まれた。
※設問の文章は実際の試験問題とは異なります
出題範囲としては改定にかかわる問題ですが、
内容は非常にシンプルなパターンです。
「1株当たり100,000円で株式を15株発行」ですので、
資本金が150,000円増加します。
一方で、「振込」によって払い込まれていますので、
普通預金も150,000円増加します。
「資本金」は純資産の部のため、「貸方が増加」
「普通預金」は資産の部のため、「借方が増加」
したがって、仕訳としては、
普通預金 150,000円 / 資本金 150,000円
こちらが正解になります。
確実に正解したいところです。
2019年6月試験の出題された「差入保証金」の問題を解説
問.新規出店のためにビルの 1 階部分を 1 か月当たり160,000円にて賃借する契約を結んだ。契約にあたり、敷金(家賃の2か月分)および不動産業者に対する仲介手数料(家賃の1か月分)を、当座預金から支払った。
※設問の文章は実際の試験問題とは異なります
こちらは、「仲介手数料」を含めることで、多少複雑にしてきました。
しかし、出題パターンとしては日商簿記試験の運営機関である日本商工会議所が事前に公開していた模擬試験とまったく同じです。金額のみ変えた問題です。
ですから、しっかりと試験対策をしていた方にとっては確実に点の取れる問題になりました。
「敷金」は家賃の2ヶ月分なので、160,000円×2ヶ月=320,000円
敷金は将来返金されるものなので資産の部で、「借方が増加」
「仲介手数料」は家賃の1ヶ月分なので、160,000円×1ヶ月=160,000円
仲介手数料は仲介業者に払う手数料で返金されません。
そのため費用となり、「借方が増加」
「普通預金」は資産の部のため、「貸方が減少」
したがって、仕訳としては、
差入保証金 320,000円 / 普通預金 480,000円
支払手数料 160,000円
こちらが正解になります。
注意点としては、1文目の
1 か月当たり160,000円にて賃借する契約を結んだ
こちらの文章に惑わされて、
支払家賃 160,000円 / 普通預金 640,000円
差入保証金 320,000円
支払手数料 160,000円
という仕訳にしないようにしましょう。
あくまで、本問いで支払ったのは「敷金」「仲介手数料」のみですので、家賃の支払いは発生していません。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回の出題傾向を見ると、改めて商工会議所の「模擬試験」が重要であることが分かります。
参考URL:商工会議所HP内サンプル問題
また、改定された出題範囲は、出題されやすい傾向がありますので、必ず確認しておく必要があります。