ビジネス実務与信管理検定の難易度は?与信管理とは?経営にも役立つ?!

ビジネス実務与信管理検定の難易度は?与信管理とは?経営にも役立つ?!

目次

ビジネス実務与信管理検定試験の難易度は?

<ビジネス実務与信管理検定試験の難易度>

3級:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
1日1時間程度で1ヶ月(与信審査担当者なら勉強しなくても合格可能です)

2級:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
1日1時間程度で1~3ヶ月

1級:★★★☆☆☆☆☆☆☆
1日1時間程度で3~6ヶ月

過去の合格率・合格者数推移

<2・3級>

<1級>

 受験者数は1,000人程度と、まだまだ知名度は高くありません
 ですが、与信管理部門担当者だけでなく、あらゆるビジネスパーソンに必要とされる知識ですので、今後知名度があがり、「ビジネス実務法務検定」くらいの受験者数になってほしいものです。

 

 

ビジネス実務与信管理検定試験科目

 当検定では、与信管理の概念からやり方、さらに財務分析や債券に関する法務知識まで幅広く学習することができます。

 あくまでも「知識を獲得すること」が一番の目的の試験ですので、時間をかけてじっくり学習していきましょう。

ビジネス実務与信管理検定ってどんな資格?

資格の位置づけ

 ビジネス実務与信管理検定は、リスク管理情報研究所が主催する民間資格です。一般社団法人与信管理協会の後援も受けています。

 この検定は、

①与信管理業務の専門家を育成すること
②あらゆるビジネスパーソンが業務上必要な与信管理知識を習得すること

 

 を主な目的としています。

 検定は1~3級までありますが、それぞれの対象者は以下のとおりです。

3級:1~2年目のあらゆるビジネスパーソン
2級:1~3年目の与信審査担当者、3~5年目のあらゆるビジネスパーソン
1級:3~5年目の与信審査担当者、あらゆる管理職

 

ビジネス実務与信管理検定の受験資格とは?

 受験資格はありません。
 どなたでも受験できます。

 

ビジネス実務与信管理検定の勉強方法は?

 基本的には独学です。
 検定実施期間が学習アプリを提供していますので、ぜひご活用ください。

  参考URL:与信管理教室(リスク管理情報研究所公式HP)

 

与信管理ってそもそも何?掛け取引って?

掛け取引とは?

 BtoBのビジネスモデルにおいては「掛け取引」が商慣習として根付いています。
 掛け取引とは、取引やサービスを提供する前・同時に金銭を支払うのではなく、サービス提供した翌月や翌々月までに支払いを行う仕組みのことです。

 掛け取引の仕組みを図示すると以下のようになります。

 一般的に決算の関係で「月末締め」の会社が多いと思います。「締め日」から「入金」までのタームを「入金サイト」と言います。
 翌月末入金であれば「30日サイト」、翌々月末入金であれば「60日サイト」などと呼ばれます。

 

 

与信審査とは?

 掛け取引においては、「サービスを提供したのにお金が入ってこない期間」が発生します。
 法律上の「債権」が発生している状態になります。(正確ではありませんが、取引先に『お金を貸している』状態に近いです)

 一方で、会計上は「サービスを提供して、債権が確定している状態」ですので、「売上計上」されています

 売上計上しても入金がされなければ意味がありません。仮に取引先が倒産したり逃げてしまった場合には、会計上も「貸倒損失」といって利益を下げる処理をすることになるのです。

 <サービスの提供時>
 売掛金 100 / 売上 100
 <回収不能になった時>
 貸倒損失 100 / 売掛金 100

 

 こうならないために、取引先に十分な支払い能力があるか、倒産するリスクがないか、過去にトラブル等が発生したことがないかなど、取引を行う前に審査することを「与信審査」と呼びます。

 

 

ビジネス実務与信管理検定って役に立つの?その業務とは?

与信管理担当者の業務とは

 与信担当者の業務の流れは以下のようになります。

① 営業部門から取引先の与信審査依頼を受ける
② 営業部門から取引先に関するヒアリング、資料入手
 (担当者の印象、過去の取引、資本状況・役員構成、スポンサー情報など)
③ HPなどから決算情報、事業活動の状況を調査
④ 帝国データバンクなどの企業調査会社から情報収集
⑤ 反社チェック

 基本的にはインターネットや調査会社などの情報を使って調査しますが、意外と重要なのが

 「② 営業部門から取引先に関するヒアリング」です。

 会社の信用力が高かったとしても、それは過去の業績の積み上げであり、将来にわたって取引をする指標としては不足します。

 例えば窓口となっている先方の担当者の動きがあまりよくなかったり、先方の支払部門・管理部門に問題があるケースがあります。そうなると、正しく支払い手続きがされなかったり、入金手続きが完了するまでにトラブルが発生したりします。

 また、インターネットにはまだ出ていない情報で、大口のスポンサーが撤退したといった情報や、同業他社が取引をしたときに支払遅延が発生したことがあるなど、現場でないと知りえない情報も存在します。

 そのため、与信審査担当者はなるべく多くの情報をあらゆるネットワークから引き出して、審査する必要があるのです。

 

 

営業部門における検定の役割

 営業部門にいると、「サービスを提供するまでがゴール」と思い、入金管理まではなかなか目がいき届きません。
 多くの会社でも営業成績評価に「入金管理」まで含めているところは少ないでしょう。

 しかし、いざ入金されないなどのトラブルが発生した場合、その責任は営業部門が問われます

 取引先とコンタクトを取ったり、督促を続けたり、会社に報告したりと、場合によっては新しい案件を持ってくるよりも手間がかかります

 さらに、不良債権化したり、取引先が倒産などにより回収不能となった場合には、会社の利益が減り、営業成績もなかったことになります

 会社としても、あまりに貸倒が多いと債権回収プロセスに疑義が生じ、監査上不利になることもあります。

 そうならないためにも、営業部門の管理職・担当者も与信管理の知識を習得する必要があるのです。
 ビジネス実務与信検定は与信管理に関する知識を獲得するのにうってつけの検定なのです。

 

 

ビジネス実務与信管理検定は独立の役に立つ?

 独立・開業において与信管理は非常に重要です。
 スタートアップの段階では、一件一件の不良債権が「倒産」につながります。

 営業出身の経営者で、資金管理の経験がないと陥りがちな失敗で、不良債権により融資の返済が滞ったとしても、金融機関からの会社の信用はガタ落ちです。

 そうならないためにも、経営者は最低限の与信管理能力を身に付け、

 「大型の受注案件だ!」

 と安易に飛びつかず、取引先の支払能力・経営状況を判断する能力を身に付けるべきと言えます。

 

 

ビジネス実務与信管理検定試験試験の受験を検討する方におススメの資格

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おわりに

 いかがでしたでしょうか。

 まだまだマイナーな検定ですが、ビジネスにおいては非常に重要なスキルを養うことができる検定です。

 経理歴10年の私から見ても、特に営業部門の担当者・役職者に取得してほしいと思います。
 目先の売上げを追ったため、大量の不良債権を発生させ、社内の評価を下げた営業マンをたくさん見てきました。

 取引先は取引のときには「経営がまずい」などとは言わず隠しています。

 大手企業でさえも次々に経営難に陥っているいまの時代、遠回りに見えますが、こういったスキルを身に付けることが重要ではないでしょうか。

 

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