企業型DCの上限に関わらず、個人型DCで月2万まで積立て可能に!?

企業型DCの上限に関わらず、個人型DCで月2万まで積立て可能に!?

 最近、金融庁の「老後2,000万円発言」が話題になっていました。

 あくまでも「各々しっかり貯蓄してくださいね」ということだとは思うのですが、なかなかのプレッシャーですね。

 老後の負担を少しでも減らせるように、当ブログの中でも個人型DCの加入を薦めてきました。

 そして、本日深夜に更新された日本経済新聞「イデコ加入、全会社員に 企業型年金と併用可能 」という記事があったので解説していきます。

目次

日経記事まとめ

 厚生労働省は全会社員を対象に、希望すれば個人型確定拠出年金(イデコ)に入れるように基準を緩める検討に入った。勤め先で企業型の確定拠出年金に入っていても、追加で個人型のイデコにも加入し、併用できるようにする。(中略)
 今の仕組みは、企業型のみを提供する会社が社員のイデコ加入を認める場合、企業の拠出金の上限額を5.5万円から3.5万円に引き下げる必要がある。(中略)
 厚労省は社員がイデコに加入する場合でも、企業型の掛け金の上限額を下げない方向で制度を見直す。(後略)
引用URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47891580Y9A720C1SHA000/

 

 うーん、分かったような分からないような・・・。
 そもそもの現状の「企業型DC×個人型DC」の背景が書いてないからわかりにくいんですね。

 そこをしっかり解説していきます。

 

 

現行制度では企業型DCと個人型DC(iDeCo)の併用はほぼムリ!?

 日経の記事を読んだとき、

 「あれ?2017年1月の制度改正で併用できるようにならなかったっけ?」

 と思われた方も多いと思います。

 その通りです。
 企業型DC制度のみがある企業に勤める会社員は、月20,000円まで個人型DCを拠出可能です。

↓こちらの記事でも紹介しています。

 しかしこれには大きな落とし穴がありました。

<企業型DCと個人型DC併用の落とし穴>
① 企業の「年金規約」等で定め、労使合意の手続きが必要
 ⇒面倒なのでやっていない企業がほとんど
② 年金規約等で定める企業型DCの拠出上限額「55,000円/月」を減額し、個人型DC分「20,000円/月」分を空けなければならない
 ⇒そもそも個人型DCに興味ある社員が少ないので提案されない

 

 つまり、実質意味のない制度だったということです。

 

企業型DCの掛金上限「55,000円/月」を下げずに個人型DCを拠出できるようになる!?

 今回の日経記事で紹介されている検討事項とは、

② 年金規約等で定める企業型DCの拠出上限額「55,000円/月」を減額し、個人型DC分「20,000円/月」分を空けなければならない

 

 この部分の改正であると思われます。

 つまり、企業の年金規約等を変更せず「上限55,000円/月」のまま、個人型DC20,000円/月を拠出できるようになる、ということです。

 現行システムで企業が年金規約等で「上限55,000円/月」と定めていても、実際は勤続年数などにより傾斜が付けられていて、若手社員ですと月数千円程度、という場合がほとんどです。

 実際に拠出される金額は月数千円程度であっても、会社の規定が「上限55,000円/月」であれば個人型DCは追加拠出できませんでした。

 もし改正されれば、例えば30歳社員に会社型DCが10,000円/月拠出されている場合、

 会社型DC10,000円/月+個人型DC20,000円/月=30,000円/月

 

 が拠出できるようになる、ということです。

 ※この際、合計の上限額が55,000円/月になるかは、この日経記事からは判断できませんでした。

 

 

おわりに

 いかがでしたでしょうか。

 確定拠出年金は節税メリットがあり、確定給付型のように「消えた年金問題」に発展するリスクが少ない優秀な制度です。

 私もDCプランナーを取得してその有用性を知ってからは、会社に申請をして個人型DCを活用しています。

 また、今回の日経記事のような情報をキャッチアップするには、ある程度の知識が必要です。
 DCプランナー試験では、確定拠出年金だけでなく、社会保障制度全般の知識を習得できます。ビジネス面だけでなく、ご自身のライフプラン設計にも大変役に立つ資格ですので、ぜひ受験を検討してみてください。

 詳細は以下の記事をご参照ください。

 

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