エネルギー管理士は高難易度!取得後は高収入が期待できるエネ系資格の最高峰
目次
エネルギー管理士試験の難易度は?
<エネルギー管理士試験の難易度>
★★★★★★★★☆☆
1日3時間程度の勉強で1~3年間
過去の合格率・合格者数推移
受験者数は毎年1万人前後が受験しており、一定の人気があります。
合格率は20~30%を推移しています。
ただし、受験資格として1年以上の実務経験が必要であるうえ、受験者のほとんどがインフラ・エネルギー系業務に携わるプロたちです。
そのプロ集団の中の戦いでの20~30%というのはかなり難関といえます。
エネルギー管理士試験科目
エネルギー管理士になるためには、必須基礎科目に加え、熱分野Ⅱ~Ⅳまたは電気分野Ⅱ~Ⅳの計4科目に合格する必要があります。
合否は科目ごとに判定され、1科目目の合格から3年間は科目合格は残ります。
<おススメの参考書>
エネルギー管理士試験講座 熱分野・電気分野共通〈1〉エネルギー総合管理及び法規―平成30年度改正省エネ法対応版 新品価格 |
エネルギー管理士ってどんな資格?
資格の位置づけ
エネルギー管理士は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に基づき経済産業省が指定する国家資格です。
省エネ法は1973年および1979年に発生したオイルショックをきっかけに、以下を目的に制定されました。
① 内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため
② 工場、輸送、建築物及び機械器具についてのエネルギーの使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずること
エネルギー管理士は①②目的のもと、年間エネルギー使用量の合計が1,500kl以上である大規模工場を対象に、
「エネルギー管理企画推進者」
「エネルギー管理者」
として従事することができます。
(1) エネルギー統括者:以下①~③を主な役割とする。
①経営的視点を踏まえた取組みの推進。
②中長期計画のとりまとめ。
③現場管理に係る企画立案。
(2) エネルギー管理企画推進者:エネルギー統括者の実務業務の補佐
(3) エネルギー管理者:工場における省エネ推進に関する実務業務
エネルギー管理士の独占業務
事業者は工場における年間エネルギー使用量・業種に応じて、エネルギー管理者を選任しなければなりません。
エネルギー管理者は「エネルギー管理士」の免状を有している者しかなれません。つまり、エネルギー管理士の独占業務ということになります。
必要な人数は以下のとおりです。
<コークス製造業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業>
① 1,500kl以上3,000kl未満:1人(エネルギー管理講習修了者でも可)
② 3,000kl以上100,000kl未満:1人
③ 100,000kl以上:2人
<その他の製造業、鉱業>
① 1,500kl以上3,000kl未満:1人(エネルギー管理講習修了者でも可)
② 3,000kl以上20,000kl未満:1人
③ 20,000kl以上50,000kl未満:2人
④ 50,000kl以上100,000kl未満:3人
⑤ 100,000kl以上:4人
<上記業種の事務所、その他の業種>
① 1,500kl以上:1人(エネルギー管理講習修了者でも可)
また、 年間エネルギー使用量1,500kl以上の工場には「エネルギー管理企画推進者」を選任する必要がありますが、これは「エネルギー管理士またはエネルギー管理講習修了者」でなければなりません。
エネルギー管理士になるには?受験資格は?
受験資格はありません。どなたでも受験できます。
ただし、合格後の免許申請までに実務経験1年以上が必要です。
また、試験合格以外にも、エネルギー管理研修を受講し修了することで、試験合格と同等の扱いを受けることができます。
研修については公式HPをご参照ください。(https://www.eccj.or.jp/mgr1/)
エネルギー管理士って役に立つの?その業務とは?
エネルギー管理士は超難関国家資格ですが、その平均年収は700万以上ともいわれています。
経済産業省の統計によると、2018年7月時点でエネルギー管理者(エネルギー管理士)の設置が必要な工場の数は全国で7,500以上あります。
参考URL:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/004/001/
現段階で人数要件を満たしている事業場であっても、いずれエネルギー管理士の定年退職などにより必ず必要になります。
仮に仕事を就職活動時点でエネルギー管理士が不足している工場がなかったとしても、エネルギー系の中では最難関とされる資格を有していることで、就職活動に有利に働くでしょう。
省エネのスペシャリストとして企業のコスト削減に貢献!
エネルギー管理士は、工場やビルなどの管理の専門家ですが、メインは「省エネルギー」です。
かつては国からの要請で設置が義務付けられたのがはじまりですが、東日本大震災による電力被害などを契機に、企業内では「省エネ」に対する意識が非常に高まっています。
そのため、単に国からの要請に応える目的にかかわらず、自社の利益を最大化するために省エネに取り組む企業が増えています。
その証拠に、エネルギー管理士の求人を見ると、
「自社工場の効率化を目的としたエネルギー診断業務」
「クライアント工場を対象にしたエネルギー診断・省エネ提案営業」
といった業務での募集が多数存在します。
まさに「エネルギー管理士発祥の起源」とも言える仕事です。
ビルメンテナンスの最高峰スペシャリストとして
ビルメンテナンス業務には、様々な資格・役割が関わってきます。
その中でも、最難関の資格の一つとして、エネルギー管理士は幅広い領域の役割を期待されています。
ビルメンテナンスに関する主な資格は以下のとおりです。
電気工事士
ボイラー技士
危険物乙種4類
冷凍機械責任者
エネルギー管理士は熱・電気のスペシャリストと位置付けられていますので、これらの資格の領域をカバーしうるのです。
もちろん、その資格を有していないとできない業務もありますので、必要に応じてダブルライセンスを目指しましょう。
エネルギー管理士に加えて、これらの資格を取得することで他者の追随を許さない「ビルメンスペシャリスト」となれることでしょう。
エネルギー管理士の年収は?
エネルギー管理士の求人を見ると、初任給で700万近く提示している募集が数多く存在します。
ただし、エネルギー管理士には実務経験が必要ですし、熱・電気に関する豊富な知識・スキルを有していることが前提になってきます。
そのため、一般の「いわゆる初任給」と単純比較することはできません。
とはいえ、中途の募集条件で700万近く提示があるということは、その後の活躍によっては大台1,000万円も夢ではありません。
ぜひ他の関連資格も取得して、「唯一無二のエネルギー管理士」を目指してみてください。
エネルギー管理士試験の受験を検討する方におススメの資格
電気工事のスキルも身に付けてビルメンテナンス業務の幅を広げる!
ガス設備のスキルも身に付けてビルメンテナンス業務の幅を広げる!
ボイラー設備のスキルも身に付けてビルメンテナンス業務の幅を広げる!
給水設備のスキルも身に付けてビルメンテナンス業務の幅を広げる!
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回はインフラ系技術資格の最難関資格の一つである「エネルギー管理士」をご紹介しました。
合格まで数年を要する超難関資格ですが、その分合格後の未来は明るいです。
独占業務を活用する道もあり、その知識・経験・スキルを活かして工場やビル、ホテルなどに従事することも可能です。
高収入も期待できますので、電気工事士や危険物取扱者、ボイラー技士として働いている方は、今後のステップアップとして目指すべき資格と言えるでしょう。