精神保健福祉士の難易度は?どんな資格?役に立つの?独立できる?
目次
精神保健福祉士の難易度は?
過去の合格率・合格者数推移
受験者数は毎年7,000人前後です。
合格率は60%以上とかなり高めの水準ですが、福祉系大学の卒業などが受験資格として必要なため、資格取得までは時間がかかります。
類似する資格に「社会福祉士」がありますが、こちらは受験者数年間4万人以上です。
社会福祉士に比べると人気は劣ります。
精神保健福祉士試験科目
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精神保健福祉士ってどんな資格?
資格の位置づけ
精神保健福祉士は、精神保健福祉士法に基づき厚生労働省が認定する国家資格です。
介護福祉士・社会福祉士と並び、「介護系3大国家資格」と呼ばれています。
精神保健福祉法は、精神障害者の支援や福祉の増進を目的とした法律で、その中で「精神保健福祉士」の役割を以下のとおり定めています。
(定義)
第二条 この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業とする者をいう。
まとめると、
精神保健福祉士は、精神科病院等において施設の利用者の相談業務・社会復帰支援などを行う
ということをその役割とされています。
こういった相談・支援業務は精神保健福祉士の資格がなくてもできるため、精神保健福祉士は「名称独占資格」ということになります。
ただ、多くの精神科病院や精神保健福祉施設では、精神保健福祉士の設置を必須としているところも多く、資格の有無で就職に有利に働くことは間違いありません。
社会福祉士との違いは?
精神保健福祉士と同様に、「ソーシャルワーカー」の役割を果たす資格に「社会福祉士」があります。 いずれも名称独占資格ですので、できる仕事に大きな違いはありません。
ですが、求められる役割には若干のちがいがあります。
社会福祉士は、身体的・精神的な障碍者のほか、身体的に不自由になってきた高齢者や、家庭環境に問題のある子どもなど、様々な社会的に悩みのある方々を対象にしたソーシャルワーカーです。
一方で精神保健福祉士は、精神的に障害のある方々に特化にしたソーシャルワーカーです。
とはいえ、働く環境は重なる部分が多いですし、試験の受験資格・出題範囲も重複する部分が多いです。
ご自身の領域を増やし、より幅広いニーズに応えられるよう、ダブルライセンスを目指してみるのも良いかもしれません。
精神保健福祉士の受験資格とは?
精神保健福祉士の受験資格を得るためには、複数のルートがあります。
福祉系の大学・短大で指定科目の単位を取得するコースや、一般大学・短大卒業後に「養成施設」で1年以上の研修を受講するコースなどがあります。
詳細は以下URLをご参照ください。
参考URL:http://www.sssc.or.jp/seishin/shikaku/route.html(検定公式HP)
精神保健福祉士って役に立つの?その業務とは?
精神保健福祉士は主に「精神障害者」を対象に支援する業務ですので、そういった支援施設や病院で役割を発揮します。
病院における精神科ソーシャルワーカーとして
精神保健福祉士に関する求人で大多数を占めるのがこの仕事です。
精神科のある病院内で精神科ソーシャルワーカーとして、患者さんに対する相談・支援業務を行います。
病院によって求められる役割は異なりますが、患者さんの入退院時から治療中・退院直前・退院後まで長期にわたってサポートすることが可能です。
① 療養中の心理的・社会的問題に関する相談・解決
② 入・退院時の支援・相談
③ 社会復帰の支援・相談
④ 紹介元医療機関への報告管理
⑤ 病院内での他職種との調整
⑥ 他の医療機関、福祉施設等との調整
精神保健福祉士は患者さんのケアだけでなく、ご家族のサポートのほか、病院、役所などの自治体などとの連絡役を兼ねることもあります。
介護職全般に言えることですが、精神科においてもご家族の負担は深刻です。
早期に社会復帰に導くことは、患者さんご本人だけでなくご家族にとっても非常に重要なことです。
幅広いアプローチでとても公益性の高い仕事と言えるでしょう。
就労移行支援事業所の管理責任者として
就労移行支援事業所とは、障害のある方を対象に社会進出の支援を行い、就職活動・就職後のサポートをおこなう法人です。
精神障害者と一言で言っても、その度合いやスキル・趣味嗜好は人それぞれ様々です。
日々の体調・精神的管理はもちろんですが、その方の能力やできること・得意なこと、できないこと・苦手なことを測り、どんな仕事が向いているかをチェックします。
そのうえで、ビジネスマナーをはじめ、パソコンスキル、技術スキル、語学スキルなど多岐に渡る分野から研修を行うなど、社会進出に必要な能力を養成していきます。
精神保健福祉士は、就労移行支援事業所の職員としてはうってつけの資格です。その知識・スキル・経験を活かして自立支援を行うことができます。
ゆくゆくは事業所の管理者として、他の職員の教育や施設運営などを任されることもあるでしょう。
家族の介護や身内の自立支援に
昨今、仕事上の悩みを原因とした自殺やうつ病などが社会問題となっています。
政府も働き方改革を打ち出したり、企業に産業医を設置するなど対策は設けているものの、まだまだ問題は解決しません。
精神的な問題による就労不能は、先天的なものだけではなくこういった外的要因による後天的なものも多いのです。
そのため、ご家族や友人がいつそのような状況になってもおかしくありません。
精神保健福祉士のスキル・知識は仕事だけでなく、身近な方々へのサポートにも役立てることができます。
精神保健福祉士に限った話ではありませんが、資格を検討するうえで、「仕事以外にも役立てる資格か」という観点で検討してみることもおススメです。
精神保健福祉士試験の受験を検討する方におススメの資格
まずは介護の現場経験から!
社会福祉士とのダブルライセンスで幅広い領域を!
福祉の環境を整備する仕事をしたいなら!
ご家族や本人にライフプランの提案もできる介護士&ファイナンシャルプランナー!
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は介護系3大国家資格の一つ「精神保健福祉士」をご紹介しました。
精神保健福祉士は精神障害者を対象としているため、社会福祉士に比べてより「カウンセラー的側面」が強い仕事が可能です。
福祉系大学に通っている方以外でも、例えば心理学を学んでいるような学生で「カウンセラー」を目指す方も多いと思います。
そういった方にとっても精神保健福祉士の資格は就職の幅としては非常に広がります。1年以上の指定研修が必要ですが、時間をかける価値はありますl
ぜひ受験を検討してみてください。