法人が自転車を購入するとき、一般的な自転車であれば10万円未満で購入できることがほとんどなので、消耗品費で処理してしまえば済みます。
しかし、電動自転車など高額なもので10万円を超えてしまうと、資産計上という税務上の問題が出てきて少し複雑になります。
特に「取得価額にどこまで含めるか」という点が重要なポイントになります。
一度ルールを理解してしまえば、今後発生してもスムーズに処理できると思いますので、当記事で解説していきます。
目次
電動自転車の取得価額に含める費用は?
固定資産の取得価額の考え方についておさらいしておきましょう。
購入した減価償却資産の取得価額には、原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。また、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれます。(引用:国税庁「No.5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用」)
重要なポイントは、
その資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます
という点にあります。
固定資産全般に言えることなので、固定資産業務を行ったことがある方はおなじみかと思います。
このポイントを電動自転車に置き換えると、
- 自転車本体
- バッテリー
- 防犯登録
が含まれると解釈できます。
電動自転車においては、バッテリーがなければ「事業の用に供する(使用する)」ことはできません。(そもそも別売りではないと思いますが。)
また、あまり知られていませんが防犯登録は義務化されています。
(自転車等の利用者の責務)
第十二条
3 自転車を利用する者は、その利用する自転車について、国家公安委員会規則で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録を受けなければならない。
<引用:自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律>
つまり、防犯登録は「自転車を事業の用に供するために直接要した費用」と言えますので、取得価額に含める必要があります。
電動自転車の勘定科目は?仕訳は?
10万未満の自転車を購入したとき
電動自転車を税抜80,000円で購入し、防犯登録料600円を支払った。
借方 | 貸方 | ||
消耗品費 | 80,000 | 現預金 | 88,600 |
仮払消費税 | 8,000 | ||
支払手数料(非課税) | 600 |
税抜取得価額が80,000+600=80,600円で、10万円未満ですので一括で費用計上します。
なお、防犯登録料600円は非課税ですのでご注意ください。
10万以上20万未満の自転車を購入したとき
電動自転車を税抜99,800円で購入し、防犯登録料600円を支払った。
借方 | 貸方 | ||
一括償却資産 | 99,800 | 現預金 | 110,380 |
仮払消費税 | 9,980 | ||
一括償却資産(非課税) | 600 |
税抜取得価額が99,800+600=100,400円で、防犯登録料を合わせると10万円を超えますので3年で均等償却する「一括償却資産」として計上します。
なお、防犯登録料も同じ「一括償却資産」ですが、消費税区分が異なりますので、会計システムを利用する際には注意が必要です。
20万以上の自転車を購入したとき
電動自転車を税抜200,000円で購入し、防犯登録料600円を支払った。
借方 | 貸方 | ||
車両運搬具 | 200,000 | 現預金 | 220,600 |
仮払消費税 | 20,000 | ||
車両運搬具(非課税) | 600 |
20万円を超える電動自転車はあまり多くないかもしれませんが。
税抜取得価額が200,000+600=200,600円で、防犯登録料を合わせると20万円を超えますので、車両運搬具で計上し、耐用年数2年で定率法償却します。
なお、防犯登録料も同じ「車両運搬具」ですが、消費税区分が異なりますので、会計システムを利用する際には注意が必要です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は電動自転車購入時に注意すべき会計処理について解説しました。
当サイトでは、他にも勘定科目や仕訳などの解説をしています。
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