企業活動において、サーバー費用がない会社はないと言っていいでしょう。
インターネットの普及により、サーバー費用は大きくなっており、損益管理においても重要な要素になっています。
最近では、自社でサーバーを設置せずに、amazonが提供する「AWSサーバー」を利用する企業が増えてきています。
今回は、AWSサーバーの会計処理について解説していきます。
目次
AWSサーバーとは?
AWSは、Amazon Web Servicesの略で、amazonが提供する様々なクラウドウェブサービスの総称です。
そのサービスの中の一つとして、レンタルサーバー(AWSサーバー)があります。
自社でサーバーを用意しなくても、利用料に応じた料金を毎月支払うことで、サーバーを設置したのと同じサービスを受けることができるのです。
参考URL:Amazon EC2 の料金(https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/)
自社でサーバーを設置するということは、単にサーバー購入費が一括でかかるだけでなく、
- ハードウェア機器の準備
- 機器を設置するデータセンターなどの環境
- サーバーを動かす光熱費
- サーバーソフトウェアの設置・設定
- セキュリティ対策
- 管理・運営コスト
などなど、さまざまなコストがかかります。
そのため、現在では多くの企業がAWSのようなレンタルサーバーを利用しているのです。
AWSサーバー代の勘定科目は?
サーバーの主目的はネットワーク通信環境の構築です。
ですので、インターネット回線費用などと同様に通信費で計上することが一般的です。
ただし通信費には、切手やレターパックなどの郵便代や、ヤマト運輸などの郵送費も含まれていると思います。
インターネットを多く使用する企業では、サーバー代などのインターネット関連費用は高額になります。
すると、郵便・郵送費が埋もれてしまい、コスト管理しづらくなってしまいます。
そのため私のおススメは、サーバー費などの科目を別途設定し、AWSサーバー代はそちらに計上することです。
また、インターネット通信費などの科目を設定し、Wi-Fiなどの回線費用と合わせて計上するのも良いでしょう。
<例①>
4月分のAWSサーバー利用料として、1,100,000円が発生した。
借方 | 貸方 | ||
通信費 | 1,000,000 | 未払金 | 1,100,000 |
仮払消費税 | 100,000 |
RI(リザーブドインスタンス)が発生したときの会計処理は?
AWSの料金体系に、「RI(リザーブドインスタンス)」というものがあります。
これは、1年または3年契約で、契約期間の利用料を前払い(予約)することで、毎月の利用料に大幅な割引が受けられるものです。
1年または3年は継続することが分かっているサービスに有効な支払方法です。
この場合は、
① RI契約時に前払費用
② 毎月利用料に応じた費用(割引適用後)
が2段階で発生します。
②は請求に応じて通信費等で費用計上すれば問題ありません。
①は、支払時には「前払費用」でBS計上し、毎月「通信費」として契約期間で償却していきましょう。
<例②-1>
AWSサーバーの1年分のRIを購入し、6,600,000円発生した。
借方 | 貸方 | ||
前払費用 | 6,600,000 | 未払金 | 6,600,000 |
<例②-2>
AWSサーバーのRIとして6,600,000円支払った。
借方 | 貸方 | ||
未払金 | 6,600,000 | 預金 | 6,600,000 |
<例②-3>
4月分のAWSサーバー利用料として、770,000円が発生した。
また、1年分のRIを1か月分償却した。
借方 | 貸方 | ||
通信費 | 700,000 | 未払金 | 770,000 |
仮払消費税 | 70,000 | ||
通信費 | 500,000 | 前払費用 | 550,000 |
仮払消費税 | 50,000 |
AWSサーバーにかかる消費税は仕入税額控除できる
AWSはamazonのサービスです。
amazonは海外事業者ですので、消費税は掛かっていないと思われがちです。
しかし実際は、AWSサーバー代に消費税は掛かっていると解せ、仕入税額控除可能なのです。
ここの解釈については、分かりやすく解説している記事がありましたので、そちらをご参照ください。
↓外部サイトリンクです
金額も大きく、仕入税額控除しないと大きく損をしますので、経理担当者はしっかりと把握しておきましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回はAWSサーバの会計処理について解説しました。
勘定科目の分類だけでなく、RI(リザーブドインスタンス)や消費税の取り扱いなど、注意点がたくさんありますね。
企業によっては金額が大きくなることがありますので、監査上・税務上とても重要です。
しっかりと適切な会計処理を行っていきましょう。
当サイトでは、他にも勘定科目や仕訳などの解説をしています。
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