日商簿記検定2・3級の合格率・難易度は?就職に有利?どんな仕事?

日商簿記検定2・3級の合格率・難易度は?就職に有利?どんな仕事?

目次

日商簿記検定の難易度は?

他の試験と比較した難易度

日商簿記検定3級        ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
日商簿記検定2級        ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
【参考】
 測量士補試験         ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 日商簿記検定3級       ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 賃貸不動産経営管理士     ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で1~3ヶ月
 DCプランナー2級        ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で2~4ヶ月
 日商簿記検定2級       ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
 FP2級              ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~6ヶ月
 宅地建物取引士(宅建)    ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
 管理業務主任者        ★★★★☆☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で3~9ヶ月
 マンション管理士       ★★★★★☆☆☆☆☆ 1日1時間程度で6ヶ月~1年間
 行政書士           ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間

 中小企業診断士        ★★★★★★☆☆☆☆ 1日2時間程度で6ヶ月~1年間
 社会保険労務士        ★★★★★★★☆☆☆ 1日3時間程度で6ヶ月~1年間
 土地家屋調査士        ★★★★★★★★☆☆ 1日3時間程度で1~2年間
 税理士・公認会計士      ★★★★★★★★★★ 1日3時間程度で…数年!!

 ※あくまでも一般的な基準です。個人差がありますのでご注意ください。

 

過去の合格率・合格者数推移

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日商簿記検定科目

<2級>
・商業簿記
・工業簿記
試験時間 計120分 70%以上の正答率で合格

 

<3級>
・商業簿記
試験時間 計120分 70%以上の正答率で合格 

 

日商簿記検定ってどんな資格?

資格の位置づけ

 日商簿記検定は、商工会議所法に基づき日本商工会議所・各地商工会議所が運営・実施する公的資格です。

 経理・会計としての一般知識・実務知識が問われる検定で、幅広いビジネスパーソンに必要な能力が得られます。そのため、年齢層・性別を問わず受検者が多く、簿記3級についてはいわゆる資格試験としては桁違いの10万人を超える応募人数となっています。

<3級の位置づけ>

 小規模の株式会社を前提とした会計帳簿・決算書作成を主な目標とした検定です。
 そのため、一般企業に属する人にとっては、自身の企業や取引先企業の財務状況を見極めるための、最低限の知識を得ることができます。
 また、一般事務職にとっては、企業に属した際の「伝票記帳業務」に必要な会計知識が得られます。

 これから社会に出る高校生・大学生のみならず、異動で経理・経営管理にかかわることになった方や、管理職になって計数管理をすることになった方にとっても、必要な知識が得られる検定になっています。

 

<2級の位置づけ>

 中規模の株式会社を前提とした会計帳簿・決算書作成を主な目標とした検定です。3級に比べ、より高度かつ広範囲な実務知識が問われます。
 
 3級との大きな違いの一つとして、経営管理の要素が強くなります。

 2級では損益計算書・貸借対照表に加え、それらと株主資本等変動計算書とのつながりの理解が必要になります。実務経験がない方にとって、ここが最も理解しづらい項目の一つです。
 しかし、ここを理解することにより、企業の財務諸表を見たときに、「単年度損益」(今年の利益は去年に比べてどうか)だけでなく、「累計での利益剰余金」(設立当初の赤字をいつ取り返せるか)といった線での企業分析ができるようになります。

 また、工業簿記が追加になることも大きな違いです。
 工業簿記では、いわゆる上場企業が公表するような「決算書」ではなく、例えば企業内の支店ごと・営業部門ごと・セグメントごとの損益や資産状況を把握するための会計知識を習得できます。

 そのため、経理部門における経理担当者の知識や、より高度な経営管理部門としての知識を得ることができる検定になっています。

 

 

日商簿記はどうすれば取得できるの?

 日商簿記検定は毎年2・6・11月に実施されます。
 いずれの級も100点満点中70点以上で合格となります。

 資格登録等は特にありませんので、試験合格をもって「取得」という扱いになります。

 

 

日商簿記検定の受験資格は?

 受験資格はありません。

 

日商簿記って就職・転職に役立つっていうけどホント?業務・職種別分析!

 日商簿記検定は、就職に有利な資格として有名です。
 もちろん持っていて損はありませんが、目的を間違えると資格を過大評価し、失敗につながります。
 そこで、目的別にどんな役に立つのか、解説していきます。

経理部門への就職・転職

 簿記と言えば、「経理」を想像する方が多いと思います。しかし、「経理担当者」と一言で言っても、いろいろな働き方があります。
 それぞれの視点で考察することが重要です。

① 一般事務としての会計伝票・支払伝票起票業務

就職の役に立ちます。

 実務経験がなくてもこの程度であれば簿記3級程度の知識で、すぐに実務も習得することができるため、企業のニーズは高いでしょう。
 ただし、高額な給与は期待できません。

 

② 経理代行業者として日次の会計伝票・支払伝票起票業務

就職の役に立ちます。

 ①と同様、「作業」の要素が強いため、高難易度の知識が求められることは少ないです。
 ただし、「量」を求められるため、EXCELなどのパソコンスキルが求められます。

③ 経理部門担当者として日次伝票・決算伝票から決算書作成業務まで

あまり役に立ちません。

 会計のルールは「会計基準」によって大まかに定められていますが、企業ごとのルールやシステムによる影響を強く受けます。 

 そのため、経理部門担当者としては「簿記の知識」は最低限の知識以外はそれほど役に立ちません。

 就活の面接では、「簿記2級を持っています」というより、

 「前職で税効果会計をやっていました」
 「前職で20部門の管理会計をやっていました」と、

 具体的な知識・経験を話せないと、メリットにはなりません。

 新卒や年齢の若い中途採用であれば「教育枠」としての採用はあり得ますが、30を超えて「簿記を持っています」といって、経理初心者で採用してくれるほどニーズは高くないでしょう。

 

経営管理部門への転職

④ 経営管理部門で当期着地予測・中長期計画策定業務

2級であれば多少、就職の役に立ちます。

 経営管理においては、「営業部門の知識」+「経理部門の知識」が求められます。それは、営業部門の事業や現状・将来性を把握したうえで、それが決算書にどう影響するかを理解している必要があるためです。

 企業の経理・経営管理に携わるとよくある問題ですが、「決算書は営業部門が思っている数値にならない」ということがあります。

 これは、「管理会計」と「財務会計」の目的の違いによるものです。

 「管理会計」はその企業の方向性の指針となるものですが、「財務会計」は投資家や株主など利害関係者にフラットな情報を伝えるものです。

 そのギャップを埋めるため「経理部門の知識」を得られるのが簿記検定です。

 簿記検定により「決算書が作られている過程」をある程度理解しているものと思われるため、

 「視野の広い経営管理担当者」としての評価を受けるための「付加価値」としては、就職での加点要素となるでしょう。

 

 

その他の部門への転職

⑤ 営業部門・事業部門などへの就職・転職

2級であれば多少、就職の役に立ちます。

 ここで役に立つ知識は「コスト意識」「決算書を読み解くスキル」です。

<コスト意識>
営業部門・事業部門においては、「売上至上主義」になりがちで、売上を上げるためには人件費や広告費を無視しがちです。
しかし、優秀な営業マンは、コストを意識し、会社に残る「利益」を考えています。
2級において「原価計算」を学びますので、就職時の印象は多少よくなるでしょう。

 

<決算書を読み解くスキル>
主にクライアント企業分析・同業他社分析に役立ちます。
営業活動を進めるうえで、
「クライアント企業の財務状況が問題ないか」
「ライバル企業の業績はどうか」
これらを知ることは営業活動において極めて重要です。
営業マンとしての就職活動時に、「付加価値」としてプラスにはなるでしょう。

 

 

「決算書を読む」だけなら「ビジネス会計検定」がおススメ!

 前章で、営業部門・事業部門が「決算書を読み解くスキル」が重要であると説明しました。

 もちろん日商簿記検定で学ぶことは可能です。
 しかし、日商簿記では、どちらかというと「決算書を作成するスキル」に重点が置かれています。「決算書を読み解くスキル(分析)」はあまり求められません。

 社内の経営管理部門であれば、「決算書を読み解く」ことに加え「決算書がどのようなプロセスで作られているか」を知ることも大切ですが、営業部門・事業部門はそこはあまり必要ないかもしれません。

 そこで、「決算書を読み解く(分析)」に特化した資格をご紹介します。
 

ビジネス会計検定

 です。

 こちらは大阪商工会議所が主催する公的資格です。
 大阪商工会議所のHPによると、

 ビジネス会計検定試験は、財務諸表に関する知識や分析力を問うもので、財務諸表が表す数値を理解し、ビジネスに役立てていくことに重点を置いています。

 

 とのことですので、まさにピッタリの試験と言えるでしょう。

 参考URL:ビジネス会計検定HP

 

日商簿記検定は独立できる?

 残念ながら日商簿記検定取得で独立には直結しません。

 ただし、経理部門担当者としての実務経験があれば、公認会計士などの難関資格がなくても、「経理のアウトソース」などの形で独立することは十分可能です。

 

 

簿記検定を検討する方におススメの資格

経理経験を活かして企業コンサルを目指すなら!

 

経理実務において法務知識は必須!より質の高い経理マンを目指すなら!

 

経理から人事まで一気通貫でこなせるバックオフィスのスペシャリストへ!

 

昨今の経理マンにITリテラシーは必須!

 

 

おわりに

 いかがでしたでしょうか?

 日商簿記検定は、幅広い層にとって役立つ知識が得られ、人気であることがお分かりいただけたかと思います。

 ですが、業務や役割によって本当に必要な知識なのか見極める必要もあります。
 「会社が取れって言ってる」「なんとなく就職に有利っていうから」

 というあいまいな気持ちで受けずに、それぞれの検定の役割を理解することが大切です。

 

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