DCプランナー2級対策 確定拠出年金掛金上限額と国民年金基金との関係
「DCプランナー」の「DC」は「確定拠出年金」を意味します。
しかし、試験範囲やDCプランナーが熟知すべき領域はDC(確定拠出年金)に留まらず、社会保障や年金制度すべてを網羅しています。
とはいえ、「確定拠出年金」について相談を受けることが多いと思いますので、しっかりと覚えて理解する必要があります。
目次
企業型DCの掛金上限額を確認!覚え方もあるよ
企業型DCは、国民年金第2号被保険者のうち会社員が対象になります。
そのため、お勤めの会社にすでにある制度によって掛金の上限額が変わります。
(1)(2)以外の会社員 ⇒ 55,000円/月
(2)以下が制度がある会社員 ⇒ 27,500円/月
① 確定給付年金(DB)
② 厚生年金基金
③ 私学共済 など
<覚え方>
企業型DC、他に制度がないならGo!Go!(55,000)、とその半分(27,500)
個人型DCの掛金上限額を確認!
個人型DCは2017年1月から加入対象者が大幅に変更になったことにより有名になりました。
「iDeCo」なら聞き覚えがある方も多いかと思います。
こちらの制度は、
① 国民年金第1号被保険者(自営業、フリーランス)
② 国民年金第2号被保険者(会社員、公務員)
③ 国民年金第3号被保険者(②に扶養される配偶者)
全ての方が対象となっています。
ややこしいのは、それぞれ掛金上限額が異なります、
しっかりと整理しながら覚えていきましょう。
(1)第1号 ⇒ 68,000円/月
※国民年金基金との合算での上限
(2)第2号
① 会社員・企業型DCなし ⇒ 23,000円/月
② 会社員・企業型DCあり ⇒ 20,000円/月
③ 会社員・確定給付(DB)あり ⇒ 12,000円/月
④ 会社員・企業型DC+DBあり ⇒ 12,000円/月
⑤ 公務員 ⇒ 12,000円/月
(3)第3号 ⇒ 23,000円/月
ご覧のとおり、第2号被保険者のうち「会社員」が非常にややこしくなっています。
それは、会社員には企業型DCや確定給付年金制度(DB)がすでにある場合が多く、その有無によって掛金上限額を変えているためです。
ちなみに私は、退職金制度のない会社に勤めているため、
(2)第2号被保険者 ①会社員・企業型DCなし
に該当します。
そのため上限23,000円/月のうち、15,000円を掛金として毎月拠出しています。
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第1号被保険者の「国民年金基金との合算での上限」ってどういうこと?
第1号被保険者のDC掛金拠出上限額は68,000円/月ですが、
国民年金基金との合算での上限
という条件付きです。
では、国民年金基金とは何だったか復習しましょう。
国民年金基金は元々、
会社員には、
①国民年金(老齢基礎年金)
②厚生年金(老齢厚生年金)がありますが、
自営業者には、
①国民年金(老齢基礎年金)しかない!不公平だ!
・・・ということで
②国民年金基金が創設されました。
給付方法は「確定給付」です。
※国民年金基金の加入は任意ですが、自己都合での脱退はできません。
このような背景で誕生した国民年金掛金ですが、
2007年頃から問題になった「厚生年金基金の解散問題(消えた年金)」の影響で、確定給付型の信用がなくなってきています。
そこで、対になる「確定拠出型年金=DC」が注目を集めているのです。
つまり、
第1号被保険者にとって国民年金基金と個人型DCの役割は同じで、方法・仕組みが違うだけ。
そのため、掛金上限額は互いにシェアする仕組みになっている。
ということです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
確定拠出年金と一言で言っても、加入者の状況によって条件が異なるのがややこしいところですね。
それぞれの背景をしっかりと理解しながら覚えていくと整理されていくと思いますので、焦らず時間をかけて覚えると良いでしょう。
参考:確定拠出年金の対象者・拠出限度額と他の年金制度への加入の関係(厚生労働省HP内)