年賀状は日本古来から続く慣習・文化で、旧年の感謝と新年の挨拶をするために、個人・法人問わず送り合う「挨拶状」です。
最近では電子化が進み、紙の年賀状もかなり少なくなってきました。
とはいえ、法人においては取引先との関係性を重視して、あえて手間とコストの掛かる「紙の年賀状」を使い続ける企業が多いようです。
1年に一回、まとまった支出が発生しますですので、会計処理・税務処理を忘れてしまいがちですが、当記事で解説していきます。
しっかり押さえておきましょう。
目次
まず、年賀状は交際費にはなりません
勘定科目を決めるうえで、まず気を付けなければならないのが、
税務上、損金になるか・交際費になるか
という点です。
そこさえクリアしてしまえば、あとは会社内のルールしだいです。
そして、結論的には、
年賀状代は交際費にはなりません
お中元やお歳暮のように、お菓子や日用品のような物品を贈った場合には交際費になりますが、年賀状は「挨拶状」ですので、「税務上の交際費」として性質を有しないものと考えられます。
1 交際費等の範囲
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。
(引用:国税庁HPタックスアンサーNo.5265)
では、年賀状の勘定科目は何にすべき?
年賀状代は交際費にならないということが分かりましたので、あとは会社の経理ルールにしたがって計上しましょう。
一般的には、「郵送費」「通信費」などの科目に計上します。
一方で、例えば年賀状の中で自社製品の広告宣伝を行うような場合には、製作費・印刷費などの外注費も含めて「広告宣伝費」に計上することも考えられます。
しかしながら、外注で「年賀状購入・製作・印刷・発送」まで委託しているような場合には、区分しやすいかもしれません。
ただ、社員一人一人が任意で「広告宣伝要素」を入れている場合、
「この年賀状は『郵送費』」
「この年賀状は『広告宣伝費』」
と区分することは非常に経理処理が煩雑になります。
結果、バラつき・誤りがあったのでは本末転倒ですよね。
そのため、「広告宣伝」に占める割合が多くなければ、すべて「郵送費」「通信費」と決めてしまうことをおススメします。
まとめ 仕訳で見てみましょう
<例>
12月1日に年賀状1枚63円を1,000枚購入し、63,000円(税込)を支払った。
借方 | 貸方 | ||
郵送費 | 57,273 | 普通預金 | 63,000 |
仮払消費税 | 5,727 |
おわりに:金額が小さい費用の経理処理は”シンプル”に!
いかがでしたでしょうか。
今回は、年に1度の支出である「年賀状」の勘定科目についてご説明しました。
年賀状代に限らず、高額でない費用に関する勘定科目については、なるべく「シンプルなルール」をすることが重要です。
特に規模が大きい会社においては、伝票の起票者が増え、統制が効かなくなります。
誤り・手間の少ない会計ルールを定めることも、経理部門の重要な役割です。
当サイトでは、他にも勘定科目や仕訳などの解説をしています。
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