事業活動において、粗大ごみなどが発生した場合に「ごみ処理券」を購入することがあります。
そこまで発生することは多くないと思いますが、廃棄物の内容によって会計処理が異なる場合がありますので注意が必要です。
また、消費税の取り扱いでも紛らわしい箇所がありますので、しっかりと理解しておきましょう。
目次
ごみ処理券とは?
ほとんどの自治体では、粗大ごみや事業用ごみ・資源ごみを廃棄することは有料です。
一般的な量の燃えるゴミや燃えないゴミについては、住民税や法人事業税などから賄われるため、廃棄時にはお金はかかりません。しかし、粗大ごみ等は別料金ということになります。
有料といっても、粗大ごみ等の回収時に支払うわけではなく、事前に「ごみ処理券」を購入して、粗大ごみに貼り付けて決められたゴミ捨て場に廃棄します。
すると、予約した日時に回収車が来てくれるというシステムです。
ごみ処理券自体は、自治体の所在するコンビニやスーパーなどで購入できます。
コンビニですと、レジで「ごみ処理券ください」というと販売してくれますよ。
自治体が民間に販売委託しているようですね。
ごみ処理券代は「消費税課税対象」です
ごみ処理券代は「消費税課税対象」です。
そう思われた方は非常に鋭いですね。
一般的に、例えば住民票などの取得費用は非課税です。それは、以下のとおり消費税法で定められています。
消費税法第6条
国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものには、消費税を課さない。
国、地方公共団体、別表第三に掲げる法人その他法令に基づき国若しくは地方公共団体の委託若しくは指定を受けた者が、法令に基づき行う次に掲げる事務に係る役務の提供で、その手数料、特許料、申立料その他の料金の徴収が法令に基づくもの(政令で定めるものを除く。)
(1)登記、登録、特許、免許、許可、認可、承認、認定、確認及び指定
(2)検査、検定、試験、審査、証明及び講習
(3)公文書の交付(再交付及び書換交付を含む。)、更新、訂正、閲覧及び謄写
(4)裁判その他の紛争の処理
にもかかわらず、ごみ処理券代が非課税である理由はなんでしょうか。
消費税法で非課税として定められている取引は、
「国や地方自治体(行政サービス)でなければ受けられないサービス」に限定されています。
住民票の取得は自治体でしかできませんよね。
一方で、「ごみ処理」は民間企業でもおこなっています。
すると、
- 自治体に依頼すると非課税
- 民間企業に依頼すると課税
となり、民間企業が不利になりますよね。
それでは不公平だということで、自治体のごみ処理サービスも消費税課税となっているのです。
あくまで、「消費者のため」ではなく「民間企業のため」の決まりという訳です。
ごみ処理券の勘定科目は?
ごみ処理にかかる金額は、粗大ごみによって異なります。
粗大ごみの大きさ、処分の手間によって自治体が定めています。
安いもので200円で、高いものでも数千円程度です。
しかし、当該粗大ごみをあなたの会社でどのような会計処理をしていたかによって、ごみ処理券の会計処理が異なるので注意が必要です。
「粗大ごみが固定資産計上されているか(取得価額10万円以上か否か)」
という点で異なります。
① 粗大ごみが固定資産計上されていない場合
当該粗大ごみが取得時に10万未満で購入しており、固定資産計上されていない場合には、シンプルです。
ごみ処理券をそのまま「雑費」として計上しましょう。
<例>
コンビニでごみ処理券300円を10枚、200円を5枚購入し、4,000円(税込)を支払った。
借方 | 貸方 | ||
雑費 | 3,637 | 普通預金 | 4,000 |
仮払消費税 | 363 |
② 粗大ごみが固定資産計上されている場合
当該粗大ごみが取得時に10万円以上で購入しており、償却資産として固定資産計上されている場合には、当該固定資産除却処理時に発生する「固定資産除却損」に含めるものとされています。
なお、「固定資産除却損」は特別損失項目に分類されますので、ごみ処理券代も特別損失項目に分類されることになります。
<例>
コンビニでごみ処理券300円を10枚、200円を5枚購入し、4,000円(税込)を支払った。
なお、当該固定資産廃棄時の帳簿価額は以下のとおりである。
・資産科目:工具器具備品
・取得価額:400,000円
・償却累計額:300,000円
・残存簿価額:100,000円
借方 | 貸方 | ||
備品償却累計額 | 300,000 | 工具器具備品 | 400,000 |
固定資産除却損 | 100,000 | ||
固定資産除却損 | 3,637 | 普通預金 | 4,000 |
仮払消費税 | 363 |
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は「ごみ処理券」の勘定科目についてご説明しました。
金額はあまり大きくないですが、固定資産計上されているかによって会計処理が異なるため、少しややこしかったかもしれません。
経理部門以外の方がごみ処理券を購入した場合には、経理部門に「廃棄するものが固定資産計上されていないか」確認する必要がありますね。
ごみ処理券を購入するときには少し気にするようにしてみてください。
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