【仕訳】従業員にかかる所得税・住民税の仕訳を解説!給与支給から納付まで

一般のサラリーマンは、所得税や住民税の納税義務があります。

しかし、一人一人が納税手続きをおこなうのは大変なので、会社が給与から天引きして代わりに納付する「源泉徴収制度」が採用されています。

裏を返せば、会社側は源泉徴収を行う義務があります。

今回は、法人が社員の給与から源泉徴収して納税するまでの一連の仕訳を解説していきます。

 

 

目次

従業員にかかる所得税・住民税の仕訳は?

① 給与支給時

<例>
4月分の従業員給与3,000万円のうち、所得税400万円、住民税200万円を控除して支給した。

 

借方 貸方
給与手当 30,000,000 普通預金 24,000,000
    預り金(所得税) 4,000,000
    預り金(住民税) 2,000,000

支給額は2,400万円ですが、会社の費用として計上するのは3,000万円です。

所得税・住民税はあくまでもいずれ納付する「預り金」(=債務)ですのでご注意ください。

また、残高管理を正確に行うため、預り金は「所得税」「住民税」を補助科目などで区分して管理すると良いでしょう。

 

 

② 所得税・住民税納付時

<例>
4月分の給与支給時に控除した所得税400万円、住民税200万円を5月10日に納付した。

 

借方 貸方
預り金(所得税) 4,000,000 普通預金 4,000,000
預り金(住民税) 2,000,000 普通預金 2,000,000

普通預金を2行に分けて記載したのは、納税先が異なるためです。

所得税は国税のため税務署、住民税は地方税のため市区町村に納付します。

いずれも納付期限は、給与支給翌月10日までです。

月をまたぎますが、あくまで従業員が負担するものを天引きしているだけですので、損益(PL)に影響はありません。

 

納付先:所得税⇒税務署 住民税⇒市区町村
納付期限:給与支給翌月10日まで

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。
今回は、従業員の所得税・住民税にかかる仕訳を解説しました。

所得税・住民税の計算自体は、社労士や人事部門がおこなうことがほとんどですので、経理担当者は知らなくても問題ありません。

しかし、現預金にかかわってきますので、仕訳は把握しなければなりません。

損益に影響がないため、実際に実務を経験しないと習得しづらい部分ですので、しっかりと理解しておきましょう。

 

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