毎年3月1日・9月1日を基準日として住宅新報から発表される、「四大都市圏家賃調査」の結果が発表されました。
筆者の保有する投資用マンションは3件ありますが、いずれも都内駅チカ・築浅20~22平米の単身1Kのマンションで、ザ・サラリーマン投資家向けの部屋です。保有期間は2~4年です。
筆者のようなサラリーマンオーナーにとっては死活問題である家賃の動向。
また、宅建士や賃貸不動産経営管理は仕事上、絶対におさえておかなければなりません。一緒に見ていきましょう。
東京圏はマンション・アパートいずれもすべてのタイプで上昇
当記事作成(2019年5月19日)時点では東京圏しか発表されていませんが、前回調査2018年9月1日からマンション・アパートいずれもすべてのタイプで平均成約賃料が上昇しています。
(1) マンション
① ワンルーム 73,131円(+0.56%)
② 1LDK~2DK 109,143円(+0.66%)
③ 2LDK~3DK 136,491円(+1.09%)
(2) アパート
① 1K~1DK 63,644円(+0.47%)
② 2DK 86,815円(+0.82%)
マンションタイプについては、広めのファミリー向けで上昇幅も上がっているとのことでした。記事内では「ファミリー向けが品薄」で賃料上昇につながっている、とのヒアリング結果が紹介されています。
筆者が投資用マンションを検討したとき「個人投資用は単身向け(ワンルーム・1K)がいい」というのが定説でした。これは、需要が多く空室リスクが少ないためです。
しかし、今回の調査結果ではファミリー向けの賃料が上昇傾向にあります。定説が間違いだったのでしょうか?
それは違います。
現在は東京オリンピック・パラリンピック後の物件価格下落を見据えて、ファミリー層が買い控えているため、賃貸に需要が流れているものと思われます。
そのため、オリンピック後には価格の下がった中古の分譲マンションの需要が増え、賃貸の需要が下がる可能性が高いです。
今回の結果を見て、安易に「ファミリー向けマンション投資」に手を出すことは危険でしょう。
エリア別では「赤羽」「王子」が特に上昇 川崎エリアの次は城北エリアがブーム!?
住宅新報の記事の中では、「赤羽」「王子」といった京浜東北線の2駅が特に上昇したことが紹介されています。
特に「赤羽」は最近数多くメディアで取り上げられていますが、都心へのアクセス・物価の安さ・駅周辺の利便性などからかなり注目が集まっています。
昨今の「都心へのアクセスが良い郊外エリア」人気。
吉祥寺に始まり、武蔵小杉(川崎)と来ましたが、次は北区・板橋区といったいわゆる「城北エリア」が来るかもしれません。
たしかに、赤羽駅から池袋駅までは埼京線で9分、東京駅までも京浜東北線で25分と、非常に利便性が高いです。
そのわりに、吉祥寺などの中央線・京王線沿線や、武蔵小杉・自由が丘といった東急東横線・横須賀線沿線に比べると、マンション価格もそれほど上がっていません。
池袋駅と赤羽駅の間にある板橋駅でも再開発が進んでおり、これまで注目されていなかった「城北エリア」はこれからノビシロがあるかもしれませんね。
筆者の保有する首都圏投資用マンションも賃料アップ!
実は、筆者の保有するマンションのうち、品川区にあるマンションの1部屋の借主様が3月末をもって退去してしまいました。
オーナーとしてはなるべく長期間住んでくれたほうが儲かる仕組みになっています。そのため、非常に焦りました。
しかし、管理会社の担当は「人気のエリアで駅から近いのですぐ決まると思いますよー」と楽観的。
「よしそれなら」と87,000円だった賃料を90,000円にして募集してみました。
募集を開始した週の土日で決まりました。
駅徒歩2分で13階と高層ですが、品川区と言ってもターミナル駅ではありません。それでも90,000円で余裕の成約でした。
あくまで筆者の一例なので、これで不動産賃貸市場全体は分かりませんが、現在サラリーマンオーナーにとって追い風なのは間違いなさそうです。
このタイミングでローンをなるべく返済し、5年後10年後、首都圏のマンションが供給過多を起こしてバブルが崩壊したときに、共倒れしないように準備しておくことが大切です。
そういった意味でも、住宅新報といった不動産に関する情報はなるべくキャッチアップするようにしていきたいものです。