国内旅行業務取扱管理者の難易度は?旅行代理店等、活躍の場・仕事内容は?
目次
国内旅行業務取扱管理者の難易度は?
<国内旅行業務取扱管理者の難易度>
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
1日1時間程度の勉強で2~4ヶ月程度
過去の合格率・合格者数推移
合格率は2016年以降大幅に上昇し、2018年では約40%と高水準になっています。
一方で受験者数は14,000人前後と安定した人気を誇っている資格です。
国内旅行業務取扱管理者試験科目
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国内旅行業務取扱管理者ってどんな資格?
資格の位置づけ
国内旅行業務取扱管理者は、旅行業法に基づき観光庁が認定する国家資格です。
官公庁によると、
・旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保する
・旅行業協会の適正な活動を促進すること
・旅行業務に関する取引の公正の維持すること
・旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ること
を旅行業法は目的としています。
旅行業法の中で、旅行業者がこれらの目的に則り正しく事業運営しているか管理・監督させるために設置を義務付けられているのが、「旅行業取扱管理者」です。
旅行業者は営業所ごとに最低1人以上の旅行業取扱管理者を選任しなければならないため、旅行業取扱管理者は「業務独占資格」に近い性質を持った資格と言えます。
実務的には、「取引条件の説明」「適切な広告」「料金の掲示」「旅行計画の策定」といった業務を自ら行ったり、旅行業者に行う内容について管理・監督します。
JTBやHISの窓口業務をイメージしていただければ分かりやすいと思います。
なお、旅行業務取扱管理者には「国内」「総合」があります。
「国内」は日本国内旅行のみを業務範囲とし、「総合」は海外を含むすべての旅行を業務範囲としています。
国内旅行業務取扱管理者の受験資格とは?
受験資格はありません。
どなたでも受験できます。
国内旅行業務取扱管理者の受験者層は?
国内旅行業務取扱管理者は旅行業・観光業に関する資格ですが、実はその受験者・合格者の半数近くは「学生」なのです。
これは、そこまで難易度が高い資格ではないため、旅行業者に属している方はすでに取得しているためです。
就活性が旅行業を目指すうえで、「学生時代に取得しておこう」というケースが非常に多いということです。
そして就職後には、その上位資格である「総合旅行業務取扱管理者」を受験する方が多いです。
※総合旅行業務取扱管理者は、旅行業関連が約40%・学生が約20%
そのため、別業界から中途で旅行業界を目指す方は、「総合旅行業務取扱管理者」の取得を目指すべきでしょう。
国内旅行業務取扱管理者って役に立つの?その業務とは?
旅行代理店・ツアー会社の窓口スタッフ
旅行業務取扱管理者の代表的な仕事がこちらです。
旅行代理店などの窓口に来たお客さんに対して、
・ツアーなどプランの提案
・新幹線や航空券の手配
・ホテルや旅館の手配
・現地アクティビティの提案
などを行います。
各項目ごとに料金や条件など細かな違いがありますので、お客さんの希望を汲み取り、最適なプランを提案することが求められます。
また、それぞれについて細かな注意事項があります。
代表的なものにキャンセル代や災害時の対応などがありますが、これらをしっかりと説明する責任もあります。
大抵は長々と記載されていますので、お客さんは大事なところを聞き逃してしまいがちです。
本当に重要な箇所をきちんと把握してもらうように説明することも、代理店スタッフの役割です。
旅行代理店・ツアー会社の団体旅行企画・営業
旅行代理店等には「団体旅行」を専門に取り扱う部署があります。
そこで、社員旅行・修学旅行・研修旅行など、企業や学校を相手に企画・営業を行います。
こういった部署においては、既存のパッケージプランではなく、あらゆる交通手段・宿泊先・現地観光プランなどを組み合わせて営業を行うため、自由度の高い企画・営業が求められます。
そのため、窓口スタッフに比べて能動的な業務と言えるでしょう。
また個人営業と比べ、団体営業は予約を勝ち取った後のキャンセル・変更が非常に多いことが特徴です。顧客側幹事と連携したり、交通機関や宿泊先と密に連絡を取りながら、抜け目なく進行しなければなりません。
その分、お客さんとは数か月の長い付き合いになるため、よりお客さんの旅行の感動を分かち合うパートナーとしての楽しさを感じられる仕事が可能です。
旅行・観光関連のコンテンツ媒体紹介
旅行や観光関連の紹介本・雑誌・ウェブ記事などの編集に携わる仕事です。
旅行に関する専門家である旅行業務取扱管理者として、予約時・旅中の注意事項はもちろんですが、観光地や現地のお店の紹介記事を執筆したり、おススメの旅程プランを掲載したりと、楽しませるコンテンツ制作にも関わることができます。
会社によっては、実際に取材のため観光出張を命じられるところもあるようです。
会社の経費で観光(仕事ですが)できるというのはうらやましいですよね。
旅行業務取扱管理者としての役割ではありませんが、旅行業者での業務経験がある方は特に優遇条件とされるケースが多く、有利になるでしょう。
国内旅行業務取扱管理者で独立できる?
旅行業務取扱管理者は、あくまでも「旅行業者が適正にその業務を行っているかを管理・監督する役割」ですので、直接独立に結びつくものではありません。
もちろんご自身で「旅行業者」を開業することも不可能ではありませんが、保証金として数百万円の資金が必要であったり、航空券等を大量を抑えたりすることで初期投資が必要であったりと、個人ではなかなか難しいのが実態です。
ですので、あくまでも「旅行業務取扱管理者としての業務経験を活かした独立の道」という観点でご紹介したいと思います。
ツアーコンダクター
旅行会社から委託を受けてツアーに同伴・案内する仕事です。
よく団体さんの先頭で旗をもって案内している方がツアーコンダクターです。
旅行先の名所を紹介・説明するのはもちろんですが、旅先での注意点や手続きをすべて把握して、ツアー参加者にとっても観光地にとっても安心・安全な情報を届ける必要があります。
そのためには、旅行業務取扱管理者としての知識・経験が非常に活きてくることでしょう。
一方で、最近ではスマホの普及により参加者が自身で色々な情報を得ることができるため、ツアーコンダクターや添乗員のいないツアーが増えてきています。
熟年者の参加者が多いようなツアーが中心になっているのです。
需要は先細り感がありますし、1日で捌ける量に限りがあるため多くの所得を得るのは難しいでしょう。
旅行・観光コンテンツのライター
旅行・観光コンテンツのライターとして活躍するには、大きく2つのパターンがあります。
① 企業から委託を受けて、その企業の展開する媒体において執筆する
② 自身で媒体を作成し、その中で執筆する
①については、自身で営業をかけたり、募集があれば応募することで活動することができます。
②については新しい展開方法ですが、例えばブログやYoutubeなどが有名です。
他にも旅行史を執筆し、自費出版で販売する方法もあります。最近では電子書籍が普及しているため、印刷費などの元手を掛けずに展開できるのが非常にメリットとなっています。
国内旅行業務取扱管理者の受験を検討する方におススメの資格
旅行業務取扱管理者としてのステップアップに
おわりに
いかがでしたでしょうか。
旅行業の数少ない資格である「国内旅行業務取扱管理者」をご紹介しました。
娯楽の超定番である「旅行」に関わる仕事というのは学生にも一定の人気があり、当面需要もなくならないことが予想されます。
一方で、旅行好きの方にとっては、旅行代理店以外にもその知識を活かすことのできる試験内容になっていますので、ご自身の旅行のためやブログや雑誌の執筆など、フリーランス活動にも有効な資格と言えるでしょう。